日本国内では、ハルキニストと呼ばれる村上春樹先生の熱狂的なファン達は、今度こそ村上春樹先生がノーベル文学賞を受賞出来ると思っていました。しかし、意外にもミュージシャンであるボブ・ディランが受賞したのです。なぜ村上春樹先生が受賞出来なかったのか?その原因を検証します!
日本でノーベル文学賞を受賞した作家
村上春樹先生は優れた作家であり、有名な代表作は世界50カ国以上で売られています。それでも文学賞を受賞出来ない原因を知る為に、ノーベル文学賞を受賞出来た数名の作家を紹介しましょう。
「川端康成」先生
日本人の作家として、初めてノーベル文学賞を受賞したのが川端康成先生でした。川端康成先生の代表作は雪国・伊豆の踊子・千羽鶴・山の音・眠れる美女・古都などがあります。
川端康成先生の素晴らしさは、日本語の美しさを表現した所にあると言われており、文字によって日本の情景や日本人女性の美しさを表現した所でしょう。特に有名な言葉で知られているもので、雪国の「長いトンネルを抜けると雪国であった」ですね。私は小説をほとんど読んでいなかった少年時代の時でさえ、この言葉はよく知っていました。
川端康成先生は優れた作家でしたが、残念ながら自殺してしまったのです。この自殺は事故説もありましたが、同じ作家である三島由紀夫先生の割腹自殺がショックだったのではないか?という憶測も呼びました。今でも自殺の真相は、よく分かっていません。
大江健三郎
ノーベル文学賞を受賞した2人目の日本人作家は、大江健三郎先生です。代表作として、死者の奢り・飼育・個人的な体験・遅れて来た少年・洪水はわが魂におよびなどがあります。
大江健三郎先生が、なぜノーベル文学賞を受賞出来たのか?それは色々な理由があると言われていますが、欧米向けに訳しやすい文体で書かれている事が大きいと言われています。さらに、社会問題に取り組んだ事も大きいでしょう。
しかし、日本国内の知識人からは、日本の原発には反対するのに外国の核実験には反対しないと反発されているので、好き嫌いが分かれる作家かもしれません。
日本人以外のノーベル文学賞の受賞者
村上春樹先生が受賞しない原因を知る為に、外国人で受賞した方を紹介します。
ボブ・ディラン
ボブ・ディランが、ノーベル文学賞を受賞したニュースを聞いた時に驚いたのが「作家以外で受賞出来るの?」これが私の率直な感想でした。実際に日本国内のハルキニストだけでなく、世界中でも、この受賞の決定に驚いている方が多かったのです。この決定に、賞賛さる方もいれば、猛反発している方まで賛否両論です。
ノーベル文学賞を受賞出来るのは、文学の分野で理念をもって優れた作品を創作した人物が選ばれます。ミュージシャンが選ばれたという事は、今後のノーベル文学賞の選考に影響を及ぼすのは必至かもしれません。
ボブ・ディランが受賞出来た理由は、米国歌謡にのせて新しい詩の表現を創造した為と言われています。ボブ・ディランは、最初フォークシンガーとして活躍していましたが、途中からロックに転向した事がありました。この時、ライブに詰め掛けた中にはユダ!と罵声をあびせる方がいたと言われています。そのような罵声をあびる中でも、ボブ・ディランは構う事なく歌い続けたので、優れたミュージシャンである事は間違いないでしょう。
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ
2015年にノーベル文学賞を受賞したスヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ先生は、ベラルーシ人作家です。スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ先生がノーベル文学賞を受賞出来た理由として、社会問題を取り上げている事が大きいと言われています。
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ先生は、社会主義国ソ連の闇の部分である第二次世界大戦・アフガニスタン侵攻・チェルノブイリ原発などを取り上げてきました。
この先生の凄い所は、執筆する前に数百人の方に会って取材を重ねて、証言を取って行く所です。日本の作家では、ろくに取材しないで憶測で小説を書いて批判される方もいるので、この努力は凄い所と言えるでしょう。
村上春樹先生が受賞できる可能性は?
村上春樹先生はノーベル文学賞を受賞できるか?それはハルキニストだけでなく、多くの日本人が期待している所でしょう。
村上春樹先生の代表作
世界中から支持されている作家である村上春樹先生の代表作は、風の歌を聞け・ノルウェイの森・羊をめぐる冒険・ねじまき鳥クロニクル・海辺のカフカなどがあります。
特に、ノルウェイの森は1000万部以上も売り上げて、ハルキニストと呼ばれる村上春樹ファンが注目されるようになりました。私もノルウェイの森は読んだ事があり、書評記事を書いたので良かったら、下のリンクをクリックしてご覧になってもらえると嬉しく思います。
村上春樹先生が受賞する日
村上春樹先生がノーベル文学賞を受賞出来ないのは、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ先生と違って、社会問題を取り上げてないからという意見があります。実際に社会問題を取り上げた作家が受賞している傾向があるのは事実です。
実際に、ノーベル文学賞が審査されるストックホルムで活躍しているジャーナリストの中には、村上春樹先生が受賞するのは難しいと言っています。その理由は、審査員の好みと違うというのが大きいようです。日本の大江健三郎先生も社会問題に取り組んでいた事を考えれば、社会問題に取り組む作家がノーベル文学賞に有利なのは確かだと思います。しかし、村上春樹先生は世界中から支持されている作家ですから、審査員が世代交代をすればノーベル文学賞を受賞できる可能性は十分にあるでしょう。
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