2016-10-15

おかしいのはどっちなのか、わからなくなってきた。

じぶんが正気なのか、狂っているのか、わからない。


ことの始まりは、おなじ研究室にその後輩が入ってきたことだった。


二人きりになると、その子は、いきなり重い身の上話を始めて、泣き出すことがよくあった。

どれだけこれまでの人間関係理不尽な目にあってきたかとか。

聴いているだけで気が滅入るようなことばかり、語ってくる。

ただ、なんというか、逆恨みっぽい感じがして、

ちょっと思い込みがはげしい子だなという印象を受けた。


ただ、まあ、そういう人もいるよねと、深く考えなかった。

それでときどき、相談に乗ってあげていた。


夏ぐらいから、その子がいやになれなれしくなってきた。

調べればすぐわかることを一々聞いてきたリ、

プライベートの連絡先を聞こうとしてきたり、

「この洋服、にあいますか」とか聞いてきたリ。


正直、気持ちわるかった。

いや、自意識過剰なのかもしれない。

おかしいのはわたしなのかもしれない。

そう思ってがまんした。


ある夜、実験機械の使い方が分からないというので説明した。

次の日、研究室に行くと、机の上にポストイットが貼られていた。

〈先輩、ありがとうございました〉

それだけのことだった。

でも、丸文字で書かれたそれを見た瞬間、鳥肌が背筋を駆けあがった。

引っ剥がしてにぎりつぶすと、ゴミ箱に叩き込んだ。


それからだ、わたしがその子に近寄れなくなったのは。

見るだけで吐き気がするようになったのは。


ここ数か月、まともに口を利いていない。

気持ち悪くて近寄れないのだ。

わたし距離を置いていることは、まわりの人も気づいている。

だけどその理由は、だれも知らない。


後輩はきちんと気配りができる、「いい子」だ。

一方わたしは、挨拶ひとつろくにできない、コミュ障だ。

周りにはきっと、健気な後輩を理不尽な先輩が無視しているように映っているのだろう。

最近、まわりの態度がとげとげしい気がする。


今までの経緯をあらいざらいぶちまけて、楽になりたい。

なぜ後輩をさけているのかを。

そう思うたびに、後輩の泣き顔が脳裏をよぎる。

自殺されるかもしれない)


言えるわけない。


それとも、みんなわたし妄想なのだろうか。

わたしはいま、正気なのか、狂っているのか。

からない。


どうしよう、どうしたらいい。

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