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【プロ野球】

ソフトバンク、9回3点の大逆転で1勝目!! 柳田が決勝打

2016年10月14日 紙面から

日本ハム−ソフトバンク 9回表1死二、三塁、中前に勝ち越し打を放つ柳田=札幌ドームで(岩本旭人撮影)

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◇パCS ファイナルステージ<第2戦> ソフトバンク6−4日本ハム

 ソフトバンクが土壇場で逆転勝ち。2−4の8回に松田がソロ。9回は重盗などで1死二、三塁とし、本多の左前打で同点。さらに柳田の中前打などで2点を勝ち越した。日本ハムは中盤で一度は逆転したが、抑えのマーティンが打たれた。

     ◇

 舞台は整った。野球の神に祝福された男・大谷を向こうに回し、ソフトバンク逆襲の時が来た。抑えのマーティン相手に1点差を追いついた9回、なお1死一、三塁。期待と重圧を存分に背負い、柳田が打席に入る。同点打の一走本多が初球で二盗。2ボールからの3球目、真ん中ストレートの力勝負を制し、速いゴロで前進守備の二遊間を割る決勝適時打。ヒーローインタビューで飾らない言葉を並べた。

 「試合に出たくないと思った。つらかったけど、先輩方からすごい声かけてもらって。前向いてやろうと思った」

 9月1日に右手薬指を折り、リーグV逸の傍観者となった。CSで復帰したが、ファーストステージから快音が遠い。この試合5回の三塁内野安打が、15打席目の初安打。「一本も打ってなかったし。僕より打てる打者もいる。他の人でもいいんじゃないかと。でも使っていただいて。何とかしたいと」

 そして同学年・福田が決死の盗塁で局面を打開した9回、自身CS2年ぶりの適時打で報いた。「そこまで抑えてくれた投手もいるし、点を取ってチャンスをつくってくれたみんなのおかげ。僕は大した打球も打ってない。みんなに感謝です」

 みやざきフェニックス・リーグで実戦復帰した3日夜。スマホが震えた。画面には「王会長」とあった。

 柳田「はい! お疲れさまです」

 王会長「復帰したのか」

 柳田「はい、復帰しました」

 王会長「痛くないのか」

 柳田「大丈夫です」

 王会長「俺も6日に福岡へ行くから、そこで会おう」

 約束通り6日に1軍合流。そしてここぞで役者になった。柳田の視界も色彩を帯びる。「足引っ張ってたんで。やっと役に立って。明日からも頑張りたい」。前例のない「0勝2敗」からの逆襲劇へ。ここが、分岐点だ。 (森淳)

 

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