古代の中国は、日本列島や朝鮮半島に向けて優れた文化を発信し伝える役割を担っていた。しかし時代は流れ、今や日本と韓国それぞれから文化的なコンテンツを輸入し、それらが市民の人気を集めている状況となっている。日本から来たコンテンツの代表にはマンガ・アニメ文化があり、韓国から来たのはまさに「韓流」と呼ばれる芸能文化であることは言うまでもない。

 中国に向けて文化を輸出するという点では共通している日韓両国だが、中国メディア・今日頭条が4日に掲載した記事は、両国が持つ文化の中身に大きな違いがあると解説している。歴史的な文化ではなく、現代の文化がその論点だ。

 記事は、「文化的な欠乏や、自らの地位を求めたがる故に、全力で外に向けてK−popなどの流行文化を売るのだ」と解説。する一方、「しかしそれは韓国の工業製品同様、見掛け倒しなのである」と辛辣な評価を下した。かたや日本については流行に頼る文化よりも、ロックなど個人の精神に基づくようなものこそが似合うと説明している。

 また日本では2人のノーベル文学賞受賞者をはじめ、一流、二流の作家が数多存在する一方で、韓国にはそのような世界的に名の知れた作家を探すことが難しいと指摘。「それはなぜか。韓国が日本に比べて文化的に弱いからなのだ」と論じた。

 「韓流」文化が深い含蓄を持っているかは分からない。イケメン俳優や美人アイドルを次々が出てくる状況は、ファストファッション文化に通じる点があるようにも思える。記事は「見掛け倒し」と厳しく評価しているが、一時期とはいえ日本で大流行し、中国では今もなおブームが続いていることは事実であり、「韓流」文化の伝播が一定の成功を収めたことは間違いない。少なくともその点については、リスペクトすべきだろう。「韓流」が最終的に飽きられて終わるのか、より深みのある文化コンテンツへと成熟するのかは、これからの展開次第なのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)