絶対フォント感─書体を即座に見分け、その名前を言い当てられる能力
時折インターネットで話題になる「HG創英角ポップ体」。
アニメ『キルラキル』タイトルでインパクトを残した「ラグランパンチ」。
見たことある! と思うが、見分ける自信はない。
フォントに詳しければ、資料もかっこよく作れるのに。そう思いながら、今日もひとまず「メイリオ」を選ぶ……。
フォント音痴(フォン痴?)から脱却したいなら、デザインとグラフィックに関する総合情報誌『月刊MdN』が見逃せない。2016年11月号の特集は「絶対フォント感を身につける。2」だ。
絶対フォント感。それは目にした書体を即座に見分け、その名前を言い当てられる能力。
冒頭では、特別付録『絶対フォント感を身につけるためのフォント見本帳 2016』を持ち、フォントを探して街を散策する様子を紹介している。
フォント見本帳を使って、好きな本の表紙に使われているフォントを探してみた。
まずは明朝系かゴシック系かを分類する。
「お」の二画目の丸みと、書き終わりがグッと上に入っているのが特徴的。「ま」は上の線の方が長く、二画目の形が変わっている。
見本帳の案内に沿って探してみると、似ているフォントがいくつか見つかる。「イワタ特太明朝体オールド」「解築初号かな」「見出ミンMA31」あたりかと思ったが、正解ではなさそう。
見比べていると、文字に書体デザイナーの意思が感じられて楽しい。
(誰か『おいしいもののまわり』のフォント名を教えてください……!)
フォント解析の練習には、本書の「もじ鉄」コーナーが良さそうだ。
駅名標や路線図に使われているフォントが、丁寧に解説されている。通勤通学で駅に行ったらまずはフォントチェック。習慣化すれば、毎朝電車を待つ時間が有効活用できる。
デザイン入門書『なるほどデザイン』があればさらに安心。
フォントによって見る人にどんなイメージを与えられるか、わかりやすく解説されている。
絶対フォント感を鍛えて、ドヤ顔でフォントを使いこなせる日も近い。