モースルに対する解放作戦の開始が間近と伝えられているところ、アラビア語メディアから若干の関連情報取りまとめたところ次の通り

・全般的な問題としては、al arabia net が、米washington post 紙を引用して、モースル解放作戦に関しては、未だに重要な多くの問題が残っていて、このままで作戦が始まれば、混乱が生じる可能性があるとの警告を伝えている。
その中にはシーア派民兵の役割(そもそも参加すべきか否かも含め)や開放後いったい誰がモースルを治めるのか、等の問題がある由。
wp紙は、これらの問題が解決していないと、touz khormat 解放の際と同じように、シーア派民兵とペッシュメルガとの間で戦闘が生じる可能性さえあるとしている。
更にトルコはPKK系の参加を拒否しており、またキリスト教徒(アッシリア人)やヤジーディ教徒の部隊の問題もあるとしている
(更に記事には書かれていない模様だが、そもそもトルコ部隊の参加問題もあり、シーア派民兵はトルコ部隊を攻撃するとしている。
もともとの記事がWP紙であることを考えると、これらの懸念は米政府または米軍の懸念を反映する可能性があると思われる)
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2016/10/13/تهديدات-بتحول-معركة-الموصل-إلى-فوضى-عارمة.html
・人道的な観点から最大の問題は、住民の保護の問題であるが、国連はモースル作戦は現在世界が直面する最大かつ最も複雑な人道問題を惹起する可能性があるとして、100万の住民が難民となる可能性があるとしている。
またISが彼らを人間の盾として使ったり、化学兵器の犠牲になる可能性もあるとしている由
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2016/10/13/الأمم-المتحدة-مليون-مشرّد-إثر-معركة-الموصل.html
他方戦術的な問題であるが、ISが既に爆発物を載せたドローンを使用し、ペッシュメルガ兵士2名死亡、仏兵2名が負傷した事件は報告済みですが、米軍によると、ISは既にアマゾン・ネットから複数のドローンを購入していて、これをモースル解放作戦に際して、爆弾として使う可能性がある由
(先日使われたドローンはイラク軍から捕獲したものとの報道があったが、事実関係は不明)
このため、米軍はドローンを遠方から捕捉し、これを識別し、攻撃するドローン防衛網Drone Defenderをすでにイラクに配備し、作戦にあたっては前線に配備することにしている由。
(確かにドローンい詰める爆弾の量はたかが知れていても、彼らの保有するマスタードガスなどを相殺する可能性もあり、問題は深刻かもしれない)
http://www.aljazeera.net/news/presstour/2016/10/14/تنظيم-الدولة-يستخدم-طائرات-مسيرة-تباع-بأمازون