上半期の企業年金の運用利回り 円高影響でマイナスの水準

上半期の企業年金の運用利回り 円高影響でマイナスの水準
国内の主な企業年金のことし4月から先月まで半年間の運用利回りは、外国為替市場で円高が進み、日本円に換算した運用益が目減りしたことから、マイナスの水準となり、年金の運用は厳しい状況が続いています。
民間の調査会社、「格付投資情報センター」は、国内およそ110社の企業年金のことし4月から先月まで半年間の運用成績をまとめ、14日発表しました。
それによりますと、半年間の運用利回りは平均でマイナス0.44%となり、上半期としては、2年連続でマイナスの水準となりました。これは、アメリカが追加の利上げを見送ったことで円高ドル安が進んだことから、資産全体の2割以上を占める「外国の債券と株式」で、日本円に換算した運用益が目減りしたことが主な要因です。

企業年金の間では、日銀のマイナス金利政策の影響で国内市場で超低金利が続く中、投資先を外国の債券に移す動きが出ていますが、円高の影響で運用利回りが落ち込んだ形です。
今後の見通しについて、格付投資情報センターは、「企業年金にとっては厳しい運用環境が続いているが、今後は、アメリカの大統領選挙の結果や、いつアメリカが追加の利上げに踏み切るかによって、大きく変わる可能性もある」と話しています。