事情を多少でも知る人にとっては、史上初の異常な事態となりました。
ほとんどの人にとってはピンとこないと思われるので、簡単に説明を。
・竜王戦は名人戦と並ぶ棋界のビッグタイトル。特にその賞金は最大で、タイトル獲得者は4000万程度、負けた方も1500万程度もらえる。
・三浦九段は今回初めて挑戦者になったが、スマホ不正使用疑惑をかけられ挑戦できなくなった(別の人が挑戦者に)。
・そもそも将棋界では、八百長などの不正疑惑はこれまで一度もなかった。
今回の疑惑はまさに時代の産物。将棋ソフトが人間をはるかに凌駕し、スマホという携帯端末が当たり前になることによって初めて可能となった不正だからです。「コンピュータ、この局面でどう指せばいい?」「オコタエシマス、サイゼンシュハ・・・」。そんなバビル2世に出てくるような巨大なマシンとのやりとりもいらず、ちっちゃな画面上で指をちゃかちゃかっと動かしたらほとんど待つこともなく手が表示されるわけで。
それにしても連盟も対処が後手に回った印象は否めません。「性善説」でスマホ持ち込み規制が遅れたんでしょうが、疑惑の段階とはいえ大変な汚点を残してしまいました。
「カンニングしただろ!出場停止処分にしちゃる!」
「ぬれぎぬだ!別室で休んでただけだ!」
こんな言い争いが三浦九段のみならず棋界全体のイメージダウンになるのは必定です。残念でなりません。世間の多くは彼のことを「クロ」だと認識するでしょう。名誉回復は至難ではないでしょうか。
ちなみに、今でもソフトはハイペースで強くなり続けており、だいたい1年前のソフトには勝率7割で勝てるらしいです。何そのチューンナップ。そんなのがスマホ上で誰でも無料で使える時代。そして、「名人」「竜王」であっても、もうソフトには勝てないんだよなあと皆が思う時代になりました。
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