ノーベル文学賞 ボブ・ディラン氏 受賞決定後 初のライブ

ノーベル文学賞 ボブ・ディラン氏 受賞決定後 初のライブ
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ことしのノーベル文学賞の受賞者に選ばれたアメリカのシンガーソングライター、ボブ・ディランさんの、受賞決定後、初めてとなるライブがアメリカ・ラスベガスで行われ、受賞を喜ぶ多くのファンで熱気に包まれています。
アメリカの歌の伝統に新たな詩的表現を生み出したとして、ことしのノーベル文学賞の受賞者に選ばれたボブ・ディランさんは、今も年間100回ほど、ライブを行っています。

アメリカ・ラスベガスにあるホテルの会場では、現地時間の13日午後8時(日本時間の正午)から、受賞決定後、初めてとなるライブが始まりました。
ディランさんは、1962年のレコードデビューから50年以上、音楽のスタイルを変えながら、毎年のように新しいアルバムを発表し、メッセージ性の高い歌詞を発信し続けてきました。ライブでは、新しい曲を中心に演奏し、よく知られた曲もアレンジを大きく変えることで知られるなど75歳の今も、現役の歌手として精力的に活動を続け、今回のライブにも、熱心なファンが訪れ、開始を心待ちにしていました。

2か月前から楽しみにしていたというカリフォルニア州の男性は「受賞の話を聞いてとても興奮しています」などと話していました。バージニア州から来た60代の女性は「今も世の中には移民などに対する差別があり、社会がおかしくなっているので社会を変えるためにボブ・ディランのような人がもっといればと思う」と話していました。

ラスベガスでは祝福の声

ノーベル文学賞の受賞決定後、ボブ・ディランさんが初めてのライブを行うネバダ州ラスベガスのホテル前には、ディランさんの写真とともに、「2016年のノーベル文学賞受賞決定おめでとう」と書かれた電光掲示板が登場しました。
また、ホテルの中にある会場は、ライブが始まる4時間前、まだ入り口は閉まったままで、中には入れませんでしたが、ライブの準備が進んでいる様子で、報道陣が集まり始めていました。

2か月前からライブに来るのを楽しみにしていたというカリフォルニア州から来た男性は「けさ、受賞の話を聞いて、とても興奮しています。ライブに行く当日に発表があるなんて、すごい偶然だと思います。彼のアルバムとレコードは全部持っています。ライブで彼を見るのを待ちきれません」と話していました。
バージニア州から来た60代の女性は、「彼の受賞は私たちの文学に対する定義を変えてくれました。彼は私たちの世代の代弁者です。今も世の中には移民などに対する差別があり、この社会はおかしくなっているので、社会を変えるためにボブ・ディランのような人がもっといればと思う」と話していました。

受賞への評価 世界の文学界で割れる

ノーベル文学賞にボブ・ディラン氏の受賞が決まったことについて、世界の文学界では、評価が分かれています。

このうち、フランスの小説家、ピエール・アスリーヌ氏はAFP通信に対し、「今回の決定は作家を侮辱している」と述べたうえで、「ディラン氏は好きだが、どこが文学作品なのか。選考委員会は、自分たちの顔に泥を塗ったようなものだ」と述べ、今回の決定を強く批判しました。

スコットランドの小説家、アービン・ウェルシュ氏は、ツイッターで「訳のわからないヒッピーたちにもぎ取られた懐古趣味の賞だ」と投稿し、憤りをあらわにしました。

一方、インド出身のイギリスの作家、サルマン・ラシュディ氏は、ツイッターで「すばらしい選択だ」としたうえで、「ギリシャ神話の時代から歌と詩は密接に関わっている。彼は吟遊詩人の伝統の極めて優秀な継承者だ」と投稿し、ディラン氏をたたえました。

このほか、ノーベル文学賞の候補として、毎年名前が挙がっているアメリカの作家、ジョイス・キャロル・オーツ氏は、ツイッターで「一度聞いたら忘れられない彼の音楽と歌詞は、最も深い意味で『文学』と言えるだろう」と投稿し、賛辞を送りました。

官房長官 団塊世代の憧れのスター

菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、「ボブ・ディラン氏は、世界でも卓越した歌手で、シンガーソングライターでもあり、世界中で多くの人々が彼の歌詞に心を動かされているのではないかなと思う。このたびの受賞をお祝いするとともに、さらなるご活躍をお祈り申し上げたい。私個人としては、特別のそうした歌に対して思いは無いが、私ども団塊の世代の人間にとっては、まさに非常に憧れたスターだった」と述べました。