中国共産党は理念的に破産している。共産主義の代わりに儒教理念をソフトパワーに仕立て上げているが、権威主義の統合理念にとどまっている。大衆迎合的な反汚職闘争にもかかわらず、国際透明性機構の腐敗体感指数は世界87位だ。
中国政府は国際社会のリーダーになることはできない。国際協調を無視し、核実験を繰り返す金正恩(キム・ジョンウン)を生きながらえさせているからだ。中国政府は「金王朝」という腫瘍を除去するのではなく、腫瘍を育てるという反人類的な選択を行ってきた。そのため国際社会は中国政府を信じない。そんな中国から全人類のための普遍的な理念が生まれるはずがあろうか。中国的価値観は絶対的に中国の国境を越えない。そうした現実を無視したまま、「50年の友邦である米国よりも5000年の友邦である中国の側に立とう」という人もいる。反西洋的な不合理と言わざるを得ない。
世界10位に入る貿易大国・韓国は血に染まった民主化闘争を足がかりとし、平和的な政権交代に成功した自由主義の民主共和国だ。大韓民国の憲政史の前では中国の現代史はあまりに矮小(わいしょう)だ。4300万人の人民を餓死させた大躍進運動、1億人の被害者を生んだ文化大革命を経て、ようやく改革開放で開発独裁を続ける権威主義体制にすぎない。みだりに中国を称賛するのではなく、冷徹な中国批判が求められる。