【村上春樹の小説にも登場】
村上春樹は例年通りノーベル文学賞落選でしたが、今年はハルキストも納得の結果に。
なんとあの"フォークの神様"ボブディランがノーベル文学賞を受賞しました。
ロックを何度も変え続けた男、ボブディランに触れるのは正直恐れ多いのですが、 今回良い機会なので紹介したいと思います。
【Bob Dyalnの詩を味わえるおすすめ曲5選】
ただ単に良い曲を挙げていくとなると、つまらないので、
ノーベル賞繋がりで「歌詞」つまり詩に着目します。
ディランの歌詞はシェイクスピアの喜劇から宗教、戦争、人種差別など幅広い内容を恐れることなく飄々と歌い上げるところが特徴です。
欧米のみならず、吉田拓郎や奥田民生、斉藤和義、桜井和寿等日本のミュージシャンにも大きな影響を与えています。
しかし、歌詞が難解でネイティブにさえ意味がわからない、なんて詞も少なくありません。
今回は初めての方も多いと思いますので、特に「わかりやすく、かつ深い」歌詞を持った曲を紹介したいと思います。
時代は変わる
もし時間というものがお前にとって救うに値するものなら、
泳ぎ始めたほうが良い。
でないと石のように沈んでしまう、なぜなら時代は変わっているからだ
ペンで予言をする物書きや評論家たち、目を大きく見開いておけ
もう二度とチャンスはやってこないだろう
など思わずドキッとさせられてしまう歌詞をフォークギターにのせて歌い上げます。
「For the times they are a-changin'」という詩の繰り返しが見事です。
天国への扉 / Knockin' on Heaven's Door
さっそくカバー版で申し訳ないですが、同名タイトルの「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」という映画のラストシーンから。
「母さん、俺の銃を地面に置いてくれないか これ以上やつらを撃つことはできないよ」
という歌詞がかっこよすぎます。
もう余命が少ない保安官(バッヂという歌詞より)の男が自分の人生を振り返る歌。
悪者を殺し続けた男の人生にも天国への扉は開くのでしょうか。
上の動画はドイツ映画ですが、笑いあり・涙ありの名作です。
ライク・ア・ローリング・ストーン / Like A Rolling Stone
『ローリング・ストーン』が選んだ「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500」で1位を獲得した超名曲です。
6分を超える長い歌なので、歌詞の一部を紹介するのは難しいです。
おおまかな意味を伝えると、昔奢り高ぶっていたが、今は落ちぶれている様子を痛烈に皮肉った曲。
"How does it fee?"(どんな気分だい?)と何度も歌い上げられるのがタマりません。
タイトルはA rolling stone gathers no moss(転がる石には苔が生えぬ)ということわざから付けられたもの。
激しい雨が降る / A Hard Rain's A-Gonna Fall
「激しい、激しい雨が降る」と繰り返し歌われるこの曲。
もちろん「雨」とは戦争で降り注ぐ銃弾のことを意味した反戦歌です。
村上春樹の長編小説『ダンス・ダンス・ダンス』にも登場しています。
風に吹かれて / Blowing In The Wind
言わずと知れたプロテストソング。
ボブディランの中で最も有名な曲ではないでしょうか。
「どれだけ道を歩けば、一人前の男として認めれるのか、どれだけ多くの海を歩けば、白いハトは砂浜で羽を休められるのか」
という歌詞は、1960年代の人種差別が当たり前の時代には衝撃だったのでしょう。そんな痛烈な歌詞をフォークギターで淡々と歌い上げます。今の時代でも忘れ去られることなく聴かれるということは、今でも差別や抑圧は無くなっていないという現れではないでしょうか。答えは風の中、です。
ちなみにこの曲は、村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』下巻にも登場します。
映画『フォレストガンプ』でジェニーが歌うシーンも印象的ですね。
【風に吹かれて だけじゃないディラン】
いかがだったでしょうか?
「見張り台からずっと」や「ハリケーン」がない!という方も多いでしょうが、
わかりやすさでは悪いチョイスではないと思います。
今年はハルキストも納得のノーベル文学賞でした。
"フォークの神様"ボブディラン、このタイミングで聴かないわけにはいかないでしょう。「全く初めて!」という方はベスト盤から入るのも一つの手だと思います。
気になる方は、ぜひ。
オリジナルアルバムでは、この下のアルバムが最もロックで聴きやすくおすすめです。