2011年1月25日に起こったデモは、3日後の28日にさらに大きなデモへと繋がっていくの。1月28日金曜日。
はじまり編はこちら。
どうして金曜日かっていうのは、金曜日はイスラム教の休日(安息日)だから。日曜日じゃないのよ。ムスリムは1日に5回お祈りをするんだけど、簡単に言うと、日の出前・昼・午後・日没直後・晩の5回。金曜の礼拝は昼の礼拝のかわりで、男性はみんなモスクに集まってお祈りしてね、っていうことになってるの。だから、金曜のお昼はたくさんの人が集まる場が既に出来てるのよね。
そのままみんなでデモに参加すれば、ものすごい人数になっちゃうってことよ。それで、金曜日に大規模なデモを呼びかけたの。「怒りの金曜日」って呼んだらしいわ。
携帯がつながらなくなったり、ツイッターやフェイスブックがブロックされたり邪魔されたみたいだけど、その後、参加者は増え続け、激しさは増していったの。
25日にデモが始まってから治安も悪化、いろいろなことが起こったわね。
与党本部や、警察署なんかが焼き討ちにあったり、ツタンカーメンの黄金のマスクのある博物館で略奪があったり。ミイラも連れて行かれちゃったって!
どさくさに紛れて、盗むのはダメよ。ひどいわ!!でもね、市民が協力して輪になって博物館を守ったそうよ。
それから、刑務所が襲われて囚人700人が脱走したなんていうのもあったわ。
旅行中にデモが起こった観光客も空港で足止めされてたから、空港泊でヒヤヒヤした日本人もいたみたいだし、夜間は外出禁止令が出されてたから、仕事で外出しないといけなかったエジプト人は何ヶ所もの検問がある中、苦労して出かけて行ったなんて話も聞いた。とにかく直接デモに参加した人たち以外にも色んなことが起こってたわね。
タハリール広場には、ラクダや馬に乗って現れる人たちも!!
ここで、このデモに関係する主な人達を紹介するわ・・・って、なんか変な言い方だけど。
まず、デモを呼びかけた若者たち「世俗派」
ずっと現政権に弾圧され続けてきたイスラム組織「ムスリム同胞団」
対する 「警察、治安部隊」
市民に武力行使をしないと宣言した「軍」
「ムバラク大統領」
次期大統領候補とされていた「大統領の息子ガマール」
大統領の息子に癒着する「企業家たち」
こんな感じかしら?
もう、息子に大統領継がせるって、そういうのやめない?北なんちゃらの将軍様じゃないんだから。軍内部ではこのガマールが次期大統領になるのを快く思ってなかったとか・・。
それから、ムスリム同胞団っていうのは、エジプト国内最大のイスラム組織。イスラム組織って聞くと何だか怖いイメージよね?でも、この同胞団は穏健派の人たちなんだって。モスクを建設したり、病院を作ったり、貧困家庭を助けたり、慈善活動をしたりしてる1920年代に出来た古い組織なの。メンバーはかなりたくさんいるんじゃないかしら?組織力があって、支持者も多いわね。
そんな同胞団、最初は若者が始めたデモの参加に慎重だったの。だって、失敗したらどうなるかなんて目に見えてわかってるでしょ?でも、そのうち同胞団の姿は増えていったみたい。
警察は手におえなくなったのかしら?いつの間にか街から姿を消してしまったそうよ。そして軍は、最初は大統領の指示で動いていたものの、そのうち独自の判断で動くようになったの。もう見限っちゃったのね。
いなくなった警察、市民に武力行使しないと言い独自の判断で動く軍。
ムバラクも絶体絶命かしら?
と思ったら、ある日忽然と「大統領支持派」なんていうデモ隊が現れたのよ。
もう、この、インチキデモ隊!
お金で雇われた連中ね。これには、次期大統領候補のガマールを取り巻いてた企業家たちもお金を出してたって噂。悪あがきよね。このインチキデモ隊、石を投げたりしてね、荒っぽいことをしてきたみたいなの。主に同胞団の若者たちが中心となってそれに立ち向かったんだって。
でも、「大統領支持派の暴力や扇動した者を罰する」っていったら消えちゃった。一体何なのかしらね?インチキデモ隊、お粗末だわ・・・
そんなすったもんだが18日間続いて
ついに!
2月11日 大統領辞任。
丸腰で戦った市民が勝ち取ったの!!
その後はどうなっていくことやら・・・
つづく。
**おまけコーナー**
デモ画像の中から発見した不思議なヘルメット??
① 鍋かぶり
② よくわからない素材の笠みたいなやつ
➂ 2種のパンのラップ巻き
④ 空ペットボトルの布巻き
➄ 工事現場のカラーコーン乗せ
⑥ 重そうなブロック乗せ
誰が一番安全でしょうか・・・ね。笑