はい。引退当初は「のんびりする」こと自体が新鮮だったし、自由に旅行スケジュールを立てられることもうれしかったのですが、そんな生活を1年も続けたら、すっかり飽きてしまったのです。
薬局を譲渡した経験が役立つ仕事だと思ったからです。どれだけ経営が順調でも、ある程度の年齢になり、後継者がいなければ譲渡せざるを得ない。頭で分かっていても、「従業員はどうなるのか」「地域に迷惑はかからないのか」など様々な不安がよぎり、店への未練を断ち切れない。
自分が売却で悩んでいた時、アテックの鈴木社長に共感していただき、随分と救われました。年齢が近いこともあったんでしょうね。1年間の休暇の中で、自分も譲渡で悩むオーナーさんをお助けしたいという思いが次第に強くなりました。鈴木社長のコンセプトは「売り手と買い手のウィンウィン」。それに対して私は「売り手の気持ちに寄り添う譲渡」。私が加われば、お互いの持ち味が生きる面白いM&A会社になるはずだと売り込み、うまく就職できました(笑)。
薬局系事業承継の決定版
「上手に薬局を譲渡するための、たった一つの方法」より