10月12日 18時55分
名古屋大学は、おととし、ノーベル物理学賞を受賞した天野浩教授などが取り組んでいる大きな省エネ効果が期待できる次世代の半導体の開発を進めるため、基金を設立して寄付を募ることになりました。
名古屋大学の天野浩教授を中心とした研究グループは青色LEDの材料として利用した窒化ガリウムを使ってパワー半導体の開発を進めています。
パワー半導体は電流や電圧を細かく調整する装置で、家電製品をはじめ、電車や電気自動車などに幅広く使われています。
パワー半導体に窒化ガリウムの結晶を使うことができれば、国内の消費電力が、今より、約10%削減できて大きな省エネにつながると考えられています。
名古屋大学は国からの支援を受け、来年度末までに約3000平方メートルのクリーンルームを備えた実験棟などを建設し、窒化ガリウムを使った研究や開発の拠点にすることにしています。
しかし、クリーンルームの維持だけで年間約1億円がかかるのをはじめ、研究員の確保や知的財産の管理などを含めると、年間数億円がかかるため、大学は「青色LED基金」と名付けた基金を作り、企業や個人からの寄付を募ることにしました。
天野教授は「窒化ガリウムのパワー半導体が実用化すれば、日本が省エネルギーの技術で世界を先導することは間違いない。未来の日本をつくるために、ぜひ投資していただきたい」と話しています。
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