東京都内の約58万6千戸に影響が出た大規模停電で、埼玉県警と消防、東京電力は13日、原因とみられる送電用地下ケーブルの火災が発生した埼玉県新座市の東電関連施設に立ち入り、出火原因の調査を始めた。
東電によると、ケーブルの敷設は35年前で、現在は年に1回の目視検査などをしているが、補修や交換をしたことはなかった。今回の火災では、何らかの原因で生じた火花などが引火した可能性があるという。
調査は午前9時50分ごろ、白い作業服を着た消防隊員らが、すすで黒くなった換気口から地下へ。県警によると、アスベスト(石綿)の濃度が高いとみられ、マスクを着用して作業にあたった。現場には焦げ臭いにおいがたちこめていた。
東電によると、現場の送電用ケーブルは、地下約6メートル付近にある「洞道」と呼ばれるトンネル(高さ約3メートル、幅約2メートル)の中に敷設。3本が1束になったものが6束、計18本ある。
新座変電所から東京都側に延びる2系統のうち、まず練馬変電所につながる系統で送電が止まり、その後に豊島変電所への系統も送電が止まったため、停電が広範囲になったとみられる。
県警などによると、12日午後2時50分ごろ、新座市野火止の東電関連施設の換気口から黒煙が激しく噴き出した。13日未明に鎮火し、火災によるけが人は確認されていない。〔共同〕