7日付の本紙A10面に載った写真を見て、温かい感動を覚えたという読者は多い。釜山市広安里の海岸に積もった台風のゴミを片付ける、外国人母子3人の姿をとらえた写真だ。タンクトップ姿の母親は、まだら模様の長靴をはいて長い熊手を持ち、ゴミをかき集めている。幼稚園児くらいと思しき下の娘も、赤いゴム手袋をはめて母親を手伝っている。小学校高学年くらいに見える上の娘も熊手を持ち、台風が海辺にぶちまけていったゴミを集めている。
この写真を撮った住民のキム・ウンギョンさん(53)によると、子どもたちに「手伝おうか」と伝えたが、子どもたちは顔を赤く上気させたまま、ゴミの片付けに没頭していたという。キムさんが用件を済ませて1時間後にまた同じ場所を通り過ぎたときも、母子3人は依然としてゴミの片付けに汗を流していたという。これにキムさんが手を貸し、別の韓国人の母親と2人の娘も加勢した。キムさんが撮った写真はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通して広がり、静かだが深い共鳴をもたらしている。
外国人母子3人が取った行動は、自然なものだったのだろう。長期滞在者なのか、誰なのかは分からないが、自分たちが散策し、楽しんでいた白い浜辺が台風のゴミでひどい有様になってしまったのを見て、少しでも片付けようと乗り出したのだろう。一時的にではあっても自分たちが身を託している共同体のために、一肌脱いだ。おそらく母親が子供たちを連れてやってきたのだろうが、親がそうして率先実行すれば、子どもたちも隣人や共同体の大切さをおのずと学ぶ。
韓国の市民の中にも、台風ゴミの掃除に乗り出した人は少なくなったことだろう。広安里の母子3人は、外国人だから余計目についたということもあり得る。しかしあの広い浜辺でゴミの片付けにまず乗り出したのは、3人の母子だった。3人の姿を見ていて、自分が乗り出して近所を片付け、整理するのではなく、官庁に電話して「なぜ片付けないのか」とかみついたことはないか-と反省させられた。周りや公務員が自分に何をしてくれるかと望む前に、まず自らやるべきことをやりに出かける社会であってこそ、品格を備えた社会といえる。
韓国社会において、大声をあげて駄々をこね、悪口を言って混乱を煽っている行為のほとんどは「もっと自分の方にサービスしろ」という要求だ。義務を果たさず権利ばかり主張するののしり合いまみれの世間にあって、外国人母子3人の写真を見ていると恥ずかしさを感じる。