会社の成長には、社員の成長が不可欠です。それには、社員全員に同じゴールを目指して努力してもらうことが大切になってきます。
また、そのゴールを実現するためには、いまよりもさまざまなスキルが必要になってくることでしょう。そこで、これからの努力に必要なスキルを確認してもらい伸ばしてもらうために「チャレンジシート」を作りましょう。これさえあれば、社員の成長とやる気が爆速化します。
「チャレンジシート」を作る意味
チャレンジシートとは、社員自身にキャリアプランを考えてもらい、目標を設定し、目標へのゴールとプロセスを明確にしてもらうためのシートです。内容はいたってシンプルで「キャリアプラン」「目標」「対策」の3つの項目だけで作れてしまいます。また、自身の将来につながるようなシートなので、取り組んでもらいやすいでしょう。
「たった3項目だけで、果たして効果があるのだろうか」と疑われるかもしれません。しかし、社員数が30人の会社であれば、30人×3項目=90項目にチャレンジすることになります。さらに年4回の評価と見直しをする場合、年間で90項目×4回=360項目の目標に会社がチャレンジすることになるのです。
こうして、チャレンジシートを活用することで少しずつ、しかし着実に社員の成長する組織が実現できます。各自の成長目標を見える化し、共有することで、「社員が伸びることで会社が伸びる」理想の循環を作り出しましょう。
「チャレンジシート」の作成方法
チャレンジシート作成時のポイントは次の3つです。
- 将来のキャリアプランを明確にすること
- 目標を3つに絞ること
- 目標の達成レベルとそのプロセスを明確にすること
将来のキャリアプランを明確にする
まずは将来の成長目標を明らかにしてもらいます。具体的には社員本人の1年先、3年先に目標とするグレードと仕事レベルを設定します。このとき、3ヶ月、半年先の短絡的な目標にならないよう目を光らせてください。これは、将来どういう自分に成長したいのかを意識しながら取り組んでもらうためのシートだからです。
目標を3つに絞る
目標は、あえて3つに絞ってもらいます。多くの目標を設定しすぎると、どれも中途半端に終わってしまうことが多いためです。社員自身の成長に効果的な目標になるよう注意しましょう。
目標の達成レベルとそのプロセスを明確にする
最終的に、社員自身のゴールと、具体的にどうやって達成するのかの手順を明らかにしてもらいます。できるだけ一つひとつの手順を細かく決めるのが、取り組みを持続させるポイントです。
「チャレンジシート」の活用方法
チャレンジシートは、作成しただけで満足してはいけません。きちんと活用することが大事です。月末には、各社員がチャレンジシートの内容を見る時間を作りましょう。目標に向かって自分がどれだけ努力できたか、きちんとプロセス通りに進んでいるかを確認してもらいます。
そして、月ごとに反省点や自己評価などを、自己コメント欄に書き込んでもらいましょう。上司はそれをチェックし、社員の自己コメントについての励ましや指摘を書いて、返信します。
「毎月コツコツ面談」で全社員の確実な成長が実現
チャレンジシートをより有効に活用したい場合、月ごとに面談を設ければ一段と効果的です。上司と本人とで目標と到達点についてきちんと見極め、これからどうすればよいかを明確化しましょう。
ただ、上司も部下も時間が限られています。コツコツ続けられるようにするにはルール作りが必要です。次の3つをルール化して実行してください。
- 面談は1人10分以内
- 面談実施の日時を毎月評価者から本社担当者に報告してもらう
- 評価者が集まるリーダー会議などにチャレンジシートを持参させる
面談に時間をとられてしまうのがハードルとならないよう制限時間を設け、面談の報告を義務付けることで面談の実施率が高まります。「毎月コツコツ面談」を育成の仕組みとして徹底させ、習慣づけていきましょう。
まとめ
チャレンジシートをこのようにきちんと活用すれば、人事評価のための明確な資料になりえます。営業成績に頼った人事評価ではなく、自らの行動目標への達成度で評価がなされれば、営業職ではない社員全体のモチベーションもあがるというものです。
まずは全社員に、自分の目標とは何かをハッキリさせることが、会社の成長を促す基礎となることでしょう。
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