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【社会】

「共生」の憲章策定へ 神奈川県、障害者差別なくす

 相模原市緑区の知的障害者施設「津久井やまゆり園」での殺傷事件を受け、神奈川県は障害者への偏見・差別をなくそうと、「ともに生きる社会かながわ憲章(仮称)」を十四日にも策定する。十二日の県議会厚生委員会では、障害者団体の代表らが参考人として出席し「憲章に命を吹き込んでほしい」と訴えた。県保健福祉局によると、共生をうたう憲章は都道府県では例がないという。

 事件で逮捕された元施設職員の植松聖(さとし)容疑者(26)は、障害者に差別的な考えを持っていたとされる。憲章は「事件に屈しない断固とした決意を示す」目的で、県民の規範として障害の有無にかかわらず一人一人の命を大切にすることなどをうたう。十二日の参考人質疑の内容も踏まえて県が文面を作り、県議会で議決する。参考人質疑で、県身体障害者連合会の戸井田愛子会長は自身の下肢障害に触れ、「温かい心の人に触れたとき私は障害を持って生まれて良かったと思えた。憲章には心という言葉を入れてほしい」と要望。

 自閉症の息子がいる県手をつなぐ育成会の依田雍子会長は、事件について「健常者と障害者の教育環境を分け、互いの理解を妨げていることが背景にある」と話し、共生理念の大切さを訴えた。

 

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