ノーベル賞の天野さん 研究支援で基金設立へ

おととしノーベル物理学賞を受賞した名古屋大学教授の天野浩さんが、受賞理由となった青色LEDの材料を使って消費電力が少ない次世代の半導体、「パワー半導体」の開発を本格化させることになり、名古屋大学は基金を設立して研究費の支援を募ることになりました。
青い光を放つLEDの開発に成功し、おととし、ノーベル物理学賞を受賞した名古屋大学教授の天野浩さんは、次のテーマとして、次世代の半導体、「パワー半導体」の研究を進めています。
「パワー半導体」は、電流や電圧を必要に応じて細かく調整するもので、省電力化が図れることから、家電製品をはじめ、電車や電気自動車などさまざまな機器で使われ始めています。
天野さんは、この「パワー半導体」を、青色LEDの材料にもなった「窒化ガリウム」で開発することを目指して研究を本格化させることになり、この開発に成功すれば、さらに10%の省電力化につながる可能性があるということです。
この研究の拠点とするため、名古屋大学は、再来年の春までに、実験棟を建設することにしていますが、運用に、年間数億円が必要になり、資金の確保が課題になっています。
このため名古屋大学は、「青色LED基金」と名付けた基金を作り、企業や個人から研究費の支援を募ることになりました。
天野さんは、「窒化ガリウムのパワー半導体が実用化すれば、日本が省エネルギーの技術で世界を先導することは間違いない。未来の日本をつくるために、ぜひ多くの人に投資をしていただきたい」と話しています。