「アジア太平洋安全保障協力会議」(CSCAP)中国委員会の銭利華・副会長(少将)は12日、日中間で交渉が続いている東シナ海などで偶発的な衝突を回避する「海空連絡メカニズム」について、「適用範囲で多くの政治問題がある。釣魚島(尖閣諸島の中国名)の帰属問題は未解決だ」などと語った。尖閣諸島を適用範囲に含めるかどうかが交渉の鍵になっているとの認識を示した。
各国の軍高官らが安全保障について論じる北京での「香山フォーラム」に出席した銭氏が記者団の取材に答えた。同メカニズムは9月の日中首脳会談で早期運用に向けた協議を加速することで一致している。
中国軍が主導し、59カ国の元政府高官や軍高官らを招いて海上の安全をめぐる協力などを論じたフォーラムはこの日閉幕。南シナ海問題で批判を浴びる中国には、対話姿勢を見せて各国の懸念を和らげる狙いもあるとみられるが、強硬姿勢を崩さない中国に各国から厳しい指摘も相次いだ。
また、中国とロシアの両軍は11日に異例の共同会見を開き、在韓米軍に配備される高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)を「朝鮮半島の核問題の解決のためにならず、中ロなど関係国の安全と利益に重大な損害を与える」として強く牽制(けんせい)した。(北京=西村大輔、延与光貞)
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朝日新聞国際報道部