ありがたいことに先日の映画ネタの記事に関してネタのタレコミをいただいておりますので、今回はそれについてを。

最近中国オタク界隈では
「君の名は。」

に関する話題、なかでも興行収入の伸びっぷりに関する話題がイロイロと出ているようですが、それと一緒に
「日本ではアニメ映画の興行収入が実写映画よりも上になるのが珍しくない」
といった情報が入り、ちょっとした話題になっているそうです。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていたその辺に関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


アニメ映画の「君の名は。」の興行収入が日本の映画界の歴代記録の上位に入るなんて話が出ている。
だが実は日本ではアニメ映画が興行収入で年間トップになるのは珍しくないらしい。報道によれば、日本では実写映画がアニメ映画の下になってしまっているなんて話もあるとか。
なんでそんなことになってんだ?

自分もそのニュースを見て実際に日本の年ごとの映画のランキングを調べてみたんだが、想像以上に凄かった。今世紀になってからはアニメが国産映画の興行収入年間1位が半分を超えているし、毎年上位にアニメ映画がランクインしている。

近年はウチの国の映画市場をターゲットにした作品がイロイロ入って来ているが、考えてみれば日本の実写映画は存在感ないな。アジア系だと国産か韓国産の作品が記憶に残っているが、日本の映画は記憶にない。

日本は映画市場もガラパゴス化しているんじゃないの?

日本の映画で比較的いいのはホラーくらいだろうか。

日本の実写映画は海外意識した作品よりも、国内向けに特化して作っているのでは?アニメだったらそれでもいいが、実写だとそうはいかないとか。

いや、日本関係のニュースで実写映画の海外輸出に取り組んでいるというのを見た覚えもあるぞ。俺もどの作品がそうなのかは知らんが。

日本の映画の興収歴代トップが「千と千尋の神隠し」なんだよね。
ランキングを見ていくと日本の映画市場におけるアニメ映画の強さがハッキリと出ている。今年も「君の名は。」が年間興行収入トップ確定になりそう。

アニメ映画と漫画やアニメ原作の実写映画って日本だとどう区別されてるの?

日本でも実写扱いだけど、どちらかと言えばアニメ映画の系統と見なされているみたい。「普通の」実写映画はほんとに苦戦しているみたいだね。

実写映画は費用がかかる。大当たりすればともかく、そこそこのレベルを狙うにはコストパフォーマンスもあまり良くない。
日本ではアニメの方がコストパフォーマンスが高いから大衆が楽しめる、良い作品が作られているという面もあるのでは。

ウチの国では実写映画の存在のせいで国産アニメの商業的な成功が難しくなっているという見方もあるのに。
日本におけるアニメの強さ、重要さを実感する統計だな。

ウチの国の映画の方の人材がほんの少しでもアニメに来てくれれば……とか考えてしまう時もある。特に脚本とか。
日本は逆にアニメの方に人材が多くなっているのかもね。新海誠も元はアニメではなくゲーム業界出身だし。

今の時代、低予算映画は低予算なりのものしかできないし、売るための場所にも出れないからなあ……アイデアや内容勝負の低予算映画で大当たりというのが理想ではあるが……

それでも実写の方がアニメ作るよりは低コストで勝負できると思うんだけど。テーマによってはセットや衣装の流用なんかもできる。
ウチの国で現在最も元気なネットドラマなんかは歴史関係だと名所旧跡でロケをしたり他のセットの使いまわしをしたりで予算削減できるからなんちゃって歴史系作品が大量に制作されている。
まぁ最近は作品増え過ぎてコストかけないといけなくなって大変になってきているがな。

今の日本の映画界は構造的にダメになっている。
才能のある人間がいてもスポンサーからの拘束が強く好きにやれない。題材や表現について制限がかかるし、役者に関しても事務所の力が強過ぎて好きに使えないそうだ。

日本はテレビドラマの方がクオリティ高くなっていると聞くけどどうなんだろう?
役者もテレビ優先になるとか。

ステータス的にはまだ映画の方が上だろう。
テレビドラマで評価されたアイドルや俳優の中には映画にいったあとはテレビドラマに戻らなくなる、そこまでいかなくてもテレビドラマの仕事減らすのとかがいる。

黒澤明や小津安二郎の時代と比べるとパッとしないのは間違いないが、今もそれなりに良い監督がいて良い実写映画を作っている。
だけど売れる実写映画は確かに作れていないかもしれん。売れる映画じゃないとウチの国までは入ってこないし、日本の映画の印象が薄くなるのも当然か。

ちゃんとした作品なら人気になるし、そこにアニメも実写も関係無い。
普通に考えれば日本の映画のランキングがアニメ中心になっているのは実写映画が没落しているってことだろ。

ランキングが表わしているのは日本人はアニメ映画が好きってだけで、実写映画が没落しているということの証明にはならんだろうが。

日本の実写映画の視聴層が小さすぎるんだろ。
内容も鬱系か癒し系かな感じだし、ランキングに乗るような作品が作られていないんじゃないか?

アニメ映画なんて有名声優使えば萌え豚が来るから楽に稼げるジャンルだし、映画不況の中では実写よりも強くなるのは当然。

日本のアニメ映画の歴代興行収入上位のジブリ系作品はプロの声優使わないということで有名だぞ。マニア向けという市場も確かにあるが、映画はやはり一般向けで成功しないとランキングの上位にはなれない。

てか日本の実写映画に凄かった時代なんてあるの?

黒澤明や小津安二郎の時代は日本の映画の絶頂期だな。スゴイ作品がバンバン作られていた。

ウチの国だと改革開放直後は日本の映画が国内映画界を席巻した。影響を受けた国内映画界の人間も多い。
その時代を知っている人達からすると、今の日本の実写映画の凋落は信じられないとか。

こっちでの高倉健の人気は日本映画の人気によるものだね。
でも考えてみれば、私の世代になるともう日本の映画経由ではそんなに日本文化の影響を受けていないかもしれん。

実際の所、なんで日本の映画界がこんなことになってるんだ?
気が付いたら今のような状況だが、わりと本気で原因を知りたい。

私もだ。日本の映画が低迷しているのを知ってはいたが、アニメ映画が上に来ているような状況になっているとは思いもしなかった。

日本ではスタジオシステムが崩壊して映画産業が厳しくなったと聞いた覚えがあるが、それは70年代の話のはずだし………なんで今こんなことに。

日本の映画を見る人間が減ったからとかは?
どこの国の映画産業もそこで苦労している。
映画市場が大きいままのウチの国の方が世界的には珍しい。

ウチの国の興行収入は作品が良し悪しよりも宣伝とアイドルとステマによる影響が大きい。それが良いとは言えないが、今の時代の商業映画に必要なのは分かる。
日本の実写映画はそういった今の時代に合わせた広報をやれていないんじゃないか?日本のメディアやネットにおける露出が見えてこない。

ウチの国は人口や経済発展のタイミングの他に、映像娯楽コンテンツの管理がアレだったり海賊版ばかりだったりといった背景もあるからな。映画の需要の発生に関してはわりと特殊だと思う。

監督や役者のレベルが下がって相対的にアニメの表現の方が評価されたり受け入れたりされ易くなったというのは?監督もそうだが日本の役者の名前を意識しなくなった気がする。
アニメは全部「描く」必要があるが、それだけに見る側を意識した表現を一定以上のレベルに保つのは実写よりも楽な所はあるだろう。

役者か……そう言えば私も日本の役者だと渡辺謙くらいしか知らん。
日本の実写映画の役者ってどうもパッとしないような。

日本の実写映画は特殊効果技術が世界に追いつかなくなったんじゃないの?ウチの国でも特殊効果が凄いハリウッド映画を見に行く人が多い。

日本の作品は大きな予算を持つとダメになると聞いたことがある。
アニメのような制限された予算と手段の方が上手く作れるのでは?

結局は、黒澤明の後継者が出なかったからだろう。

映画業界が縮小した結果なのではないだろうか。
アメリカも映画業界が縮小して、テレビドラマが増えたりウチの国の市場を意識した作品が増えたりしている。

テレビドラマと映画の差が無くなって、映画を見なくなったとか。
今の時代、映画館に行くのは特殊な体験を求めてという部分も強いし、特殊効果が無い娯楽作品は大当たりするのが難しくなっている。

ランキングを見ると、日本はテレビと関係する実写映画の興収はまだ結構良いようだ。映画単独だと厳しくなっているんじゃないか?

ウチの国では青春系の映画が市場の大部分を占めているが、その手の作品が昔から強いのは確かだ。
日本の実写映画にはそういう作品が少ないんじゃないか。「君の名は。」の大人気もそういった需要に刺さりまくったというのが理由と聞く。

日本は恋愛要素のある実写映画は十分に供給されているはずだが……むしろなんでも恋愛入れるから供給過剰だと批判されているくらいだ。
漫画の実写化でも原作に無い余計な恋愛入れる魔改造が頻発している。

考えてみれば私も最近日本の実写映画って見てないなあ。
アニメや漫画の実写化は見る気にならないし、見てるのは特撮とホラーだけだよ。

自分はオタクなんで情報が偏っているとは思うが、日本の実写映画って一般大衆向けにアニメ漫画原作系が多くなっているように感じる。
それだと日本ではアニメ映画の上を行くのは難しいんじゃないか?

ハリウッドの大作もアメコミやアニメ原作の実写映画が人気になっているし、アニメや漫画関係の要素を持った作品が興行収入で上位に入ること自体は不思議じゃない。
でも日本はアニメのままで年間のトップに立ったりするのが恐ろしい。

今の日本の実写映画がどうなっているのかはともかく、アニメ大国というのは間違いないしそれはそれで良いことなんじゃないか。



とまぁ、こんな感じで。
日本の実写系映画に関する印象を改めて考えて見た人もいるなど、イロイロな意見が出ていました。

また日本の映画市場ではアニメ映画が強いだろうという漠然としたイメージを持った人もいたようですが、現実の状況は彼らの想像の上というか斜め上に思えたりもしたようです。

もっとも、中国でもある程度情報が整っている日本のアニメ関係とは異なり、日本の映画事情に関してはやはり断片的なものになってしまいますし、中国の映画事情との違いに困惑してしまう所もあるようでした。

それにしても、言われてみれば私も最近あまり邦画の実写は見ていないような。一応時代劇系はちょこちょこ見ているのですが、現代が舞台の作品だとホントに見ていないのに気付いてしまいました……何かオススメの作品とかありませんかね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。