トッティ役こなした本田を“ずっとデンジャラス”と語る豪州メディア「清武は投入遅すぎ」

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印象的な活躍を見せた本田 photo/Getty Images

豪州も認める本田の活躍ぶり

ヴァヒド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表が11日、メルボルンにてロシアW杯アジア最終予選のオーストラリア戦に臨み、1-1で引き分けた。グループBの今後を占う強国同士の対決となったこの一戦を豪州メディアが分析・採点している。

この試合でハリルホジッチは本田圭佑を最前線に置き、“偽の9番”として起用。そしてそれが奏功するまでにさしたる時間を必要としなかった。開始5分、楔のボールを受けた本田は左サイドを駆け上がる絶好調の男、原口元気へ最高のスルーパスを提供し、先制点を理想的な形でお膳立てしている。それは名門ローマでフランチェスコ・トッティが担っていた役割を彷彿とさせ、“ゼロトップシステム”にわずかな光明を感じさせた。もちろんその後はPKによって同点に追いつかれ、勝ち点1を獲得するにとどまった日本だが、新たなオプションをかすかに見出したことは事実だ。

そして日本相手にホームで勝ち切れなかったオーストラリアのサッカー専門メディア『OUTSIDE 90』も、ミランの10番にこのゲームにおける最高点である“7.5”を付け、「極上のパスで原口の先制点をアシストし、ピッチを後にするまで彼はずっとデンジャラスであり続けた」と綴った。また10番の香川真司については「後半、彼の存在は消えていた」とし、後半終盤から登場した清武弘嗣は「投入があまりにも遅すぎで、10分では何もできない」と一蹴。ハリルホジッチの采配にも疑問を呈している。

このボスニア出身の指揮官は試合後に「本田の調子が良ければ勝てた」と語ったが、本当にそうだろうか。イラク戦でキレのある動きを見せていた清武がもしも先発起用され、浅野拓磨の投入があと10分早ければどんな結末が待っていたかと想像することは決して困難ではない。少なくとも、もう負けが許されない最終予選の天王山において、低調なパフォーマンスを見せ続ける香川を選んだハリルホジッチの判断はポジティブな英断とは言えないだろう。豪州メディアに“常に危険だった”と言わしめた本田と、「彼が良ければ勝てた」と言い放ったハリルホジッチ。日本は“どちらのリーダー”に付いていくべきか。

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