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法華狼の日記

2007-06-18 在日外国人のアニメ演出家を昔からよく見ている人はたぶんAプロ好き

[][][][]嫌韓は反日アニメの夢を見る 完全版

Dong Woo Animation

2006年 アニマル横丁(55話) 朝鮮半島を見つめる主人公の女の子。

……ここまで来ると、気に入らない脚本や面白くない演出まで韓国下請け会社のせいにされてしまいそうな勢いだ。


PAK PRODUCTION

2005年 アルティメットガール(11話)竹島どころか、壱岐対馬までもが韓国領に

ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/09/1273998ded3b4f87020de69f4aa2b62e.jpg

『アルティメットガール』には、2ちゃんねるで誤りと指摘する書き込みがあった。

これ沖縄が画面に収まらないから別で表示しているだけだろ?

天気予報とか見たことないのか

たしかに、問題となっている三つの島は、どう見ても対馬等の位置や形ではなく、沖縄に近い形状だ。指摘が正しければ、原画が勘違いして書いたミスと思われる*1

(残りは長くなったので見出し別け)

[][][][]『BLOOD+』episode9 それぞれの虹 について

峯岸功 朱柳亭 ←背景に紛れ込んだチョン二人

2005年 blood+(9話)ベトナム編の背景に朝鮮企業の看板をこっそりと入れる

     ttp://blog.naver.com/yinglinlee/70003616283

これは問題のスレッドでも指摘されていたことが興味深い。

537 :メロン名無しさん:2007/05/30(水) 15:42:24 ID:mLZh/xa40

ベトナムに行ったことないんだろうなあ。

ベトナムはいたるところにサムスンの看板がある。

それこそ旧市街のアパートのベランダにもある。

日本企業は新市街や再開発地区に大きな看板を出し

サムスンのようには出さない。

最近はTVアニメでもロケハンや風景写真を参考とすることが多い。

実際、問題にされている9話は、物語の舞台を沖縄からベトナムに移した序盤であり、背景美術に相当の力が入っている。物語も、主人公からその兄弟に視点を移してベトナムの下町で現地に生きる少女と出会い、さまざまな場所をともにすごして交流するという展開。現実の景色を参考にしたようなカットが多々見られる。

そして実際にEDのクレジットを見て気づいたが、背景美術はスタジオイースターが担当し、美術設定は草薙(KUSANAGI)が行っている。どちらも日本の背景美術会社だ。念のためepisode8〜10を見てみたが、動画等には韓国アニメ会社があっても、原画は基本的に日本人でしめられている。背景美術も設定が草薙、作業がスタジオイースターという布陣。そもそも最初から、該当の背景美術に韓国人の手が入っている可能性は薄いのだ。朱柳亭はスタジオイースター担当作品でよく見かける名前で、紛れ込んだわけではない。在日外国人か、日本人ペンネームの可能性も高い。そして峯岸功は「峯 岸功」ではなく「峯岸 功」だ。


ちなみに、この回は新人の塩谷直義が作画監督。黄瀬、岩滝、荒川といったベテラン名アニメーターが原画に入っていて、映像の完成度はなかなか。野球シーンなどで人体の重心も感じさせる良い作画が見られる。

他の回では巧くかみあっていない社会派的主題と人物のドラマも、1話で完結することもあってまとまり良く、後味もさほど悪くなくて見やすい内容。戦争の後遺症を残すベトナムで日々を生きている少女の意味を否定することなく、対する少年の成長も同時に描けている……今一つ流されてばかりのヒロインより、頭より先に行動が出る馬鹿兄や幼さを残す弟こそ主人公らしく、物語を牽引する力があると当時から思っていたのは、ただの余談。

それにしても外国人と日本人が心を通わせる物語を見て民族差別意識を丸出しにするのは不思議な話だ。

[][][][]『カレイドスター 新たなる翼』第43話 ポリスの すごい プロポーズ について

G&G ENTERTAINMENT

2003年 カレイドスター(43話)商店に掲げられる×印を描かれた日の丸と、Keep Outの文字

     ttp://www.geocities.jp/katagi72000/kaleidostar43.jpg

指摘されている中で、日本を象徴するものに対する悪意が明確に描かれた映像はこれだけだ*2。では、G&G ENTERTAINMENTに反日韓国人スタッフがいるのだろうか?


実際に映像で見るとわかるのだが、このカットを末端スタッフが勝手に描いたということは全く考えられない。この前後のカットで舞台が廃虚ということは示されており、このような人種差別的な光景があっても不自然ではない流れなのだ。画面全体に数秒間もはっきり映っているカットであり、チェックで気づかないとも考えにくい。

何より、手前の日章旗と、奥の廃虚はわざわざ別の絵に別けてあり、密着マルチ*3で処理している。つまり手間をかけ、わざわざ日章旗の×を見せつけるように演出で意図しているカットなのだ。このカットが演出家の制御下にあることは確実で、原画や動画が勝手に書き加えたものではない。

中央の赤が規定より大きく描かれていることも奇妙だ。『マンガ嫌韓流』を批判するブログで、反日デモ等で赤丸を大きく描くことはないという指摘があった。むしろ赤丸を小さく描く傾向にあるらしい。

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次に、この作品の設定を公式サイトから引用しておこう。

Nothing found for Kaleido Kaleido

カレイドステージ」。それはサーカスでもない、ミュージカルでもない、マジックでもない世界的に大人気のエンターテイメントショウ。主人公・苗木野そらは16歳の女の子。幼い頃、今は亡き両親と観た想い出の「カレイドステージ」に憧れて、たった1人、オーディションを受けるため義父母の反対を押し切り日本から単身アメリカへやってきた。オーディションに遅刻しながらも特例として入団を認められはしたが周囲の風当たりは冷たい。そんな中、そらは持ち前の、決して諦めない根性と天性の<華>、そして仲間達との友情と確執の中で、ステージの花形《カレイドスター》を目指してあらゆる試練を乗り越えていく。

カンの良い人なら「日本から単身アメリカへやってきた」という初期設定を見ただけで気づいたかもしれない。続いて、43話までのあらすじを私なりに説明する。

第二部『新たなる翼』においてレイラと別れたそらは、新規入団者によってカレイドステージが荒れていく様子に心を痛め、「争いのないステージ」を求めて様々な人に出会い、「天使の技」という理想をかなえられるかもしれない技を行おうとする。

再会したレイラからコンテストに出るよう提示され、天使の技を披露しようと決意するが、争いに満ちた舞台裏に悲しみ、コンテストを途中棄権。理想と現実の落差にとまどいステージに上がらなくなったそらを見て、レイラは失望したと告げる。

43話における主人公そらは、尊敬し追いかけていたレイラと求める先が異なると気づき、いまだ進むべき道に悩んでいる。そらに恋心をいだいているケンが力づけようとデートに誘ったが、目的のデートスポットは全て廃虚となっていた。

目標を見失ったそらの停滞を、コメディ的なデート話と暗喩カットで表現する、端正に構成された回である。後半に見せる展開も、主人公とゲストの心情が重なりつつ前に進んでいくというアイロニーに満ちている。

そう、問題のカットは、レギュラーでただ一人日本人である主人公の状況を示す、暗喩表現なのだ。


暗喩カットである傍証は他にもある。問題にされたカットの少し後に、合流してきたポリスとケンがともに恋愛成就に悲観し、男二人で壁に手をついて嘆く場面がある。その壁には「Dream Dead!」という落書きが書かれている。このカットは冒頭の本編紹介部分でも使われていて、制作スタッフが相応の自信を持っている演出なのは間違いないだろう。

つまり、この回を担当した演出家、おそらく絵コンテ担当の佐藤順一監督は、明らかに落書きで心象表現する演出を狙っている。ある程度の映像知識と読解力があれば、反日表現ではなくて演出だと気づくべきなのだ。


演出を演出として受け取る力がないのであれば、アニメを見て充分に楽しむことはできないだろう。何より、他人がそのアニメを見て楽しもうとする機会を奪っている。

演出を反日工作と読み取ることは、韓国にとどまらず日本のアニメスタッフをも愚弄していることを考えなくてはならない。

私が最初に問題の定型文を見て感じたのは、絶望的な浅さだ。まずアニメを語りたいなら、実際にアニメへ目を通そう。できれば作品の制作工程も知っておくべき。作品評価に直結しないことを前提に監督他スタッフの発言を知るのも良いだろう。できる限り同ジャンルの作品とも比較しょう。他人の感想や指摘から気づくこともある。

作品を深く知ることは、作品を深く楽しむことに通じるはずだ。

*1:普通に考えたらありえないようなミスも、探せばけっこうあるもの。映像の高い完成度を誇るアニメ映画王立宇宙軍 オネアミスの翼』でも、寒い時期に“吸う”息を白く作画してしまったアニメーターがいるという逸話がある。

*2:他は全て、韓国嫌いでなければ反応しないだろう。「JAP」という単語ですら、格好良いと感じて使用する日本人がいるのはご存知の通り。

*3:カメラを移動させるようなカットを制作する時、アニメではカメラ側を固定して絵を撮影台の上で移動して撮影する。この時、手前の絵と奥の絵で移動速度を変えて、奥行きを作り出す技術を密着マルチという。