僕はウルトラマンが好きだ。
ライダーシリーズと双璧をなすヒーローとして僕が生まれるずっと昔から子供たちの憧れとして君臨している。(共演もしてるしね)
ウルトラマンも、仮面ライダーも、戦隊ものもそうだが、シリーズ化して新しいものが出てくると子供のころはその「新しいヒーロー」が強いと思い込んでいた。
例えば仮面ライダー1号2号よりV3が強く、V3よりXが強く、Xより○○が……と。
事実数値で表すスペック的には、先輩戦士より後輩戦士の方が大幅に数値が上回っていたり、他を圧倒するような反則的な能力を身につけていたり、一時期はそのような設定が蔓延してしまいカオスなヒエラルキーが形成されていた。
それは際限のない強さのインフレであり、子供のころはそれが楽しかったが大人になってみると、何のことはないただの世代交代ではないかと思ってしまう。
(しかし平成に入ると、必ずしも後発戦士が強いという設定が常用されなくなったのは喜ばしいことだ。)
そこで僕は大好きな昭和ウルトラシリーズに敬意をこめて各々の良いところ、スペックだけでなく描写も交えて個人的見解炸裂な強さランキングを作ってみた。
昭和ウルトラ戦士は9人。
ウルトラマン、ウルトラセブン、帰ってきたウルトラマン、ウルトラマンエース、ウルトラマンタロウ、ウルトラマンレオ、ウルトラマンジョーニアス、ウルトラマン80、これに加えてゾフィー。
今回はその9人で順位を争う
条件は以下
- レジェンドであるウルトラの父・キングは除外
- 場所は何もない更地の地球(気温25度・晴れ)
- ブレスレット含む武器は使わない
この条件で戦士たちには闘っていただきます。
それでは早速スタート!
9位 ウルトラセブン
元々は戦士としてではなく、恒点観測員として地球に赴任してきた人。
しかし能力・パワー共にウルトラ戦士のそれと大差なく、己の身を守るという枠を超えた非常に強力な光線技を備えている。
スペックは以下
活動時間:不定(太陽エネルギーがあれば復活できる)
身長:ミクロ - 40メートル(劇中のガッツ星人の分析によると、50メートルまで巨大化可能)
体重:3万5千トン(身長・体重は標準時。ミクロから伸縮自在で限界は不明)
年齢:1万7千歳(初期の設定では1万9千歳)
飛行速度:マッハ7(大気圏内速度。宇宙では惑星間速度で飛行し、テレポーテーションで星雲間移動も可能)
走行速度:時速800キロメートル
水中速度:240ノット
ジャンプ力:400メートル
腕力:10万トンの物を持ち上げる。
キック力:ダイナマイト2000発分の威力がある。
弱点:寒さ
活動時間に関しては、全ウルトラ戦士の中でもトップクラスに優遇されている。
しかしながら、天候に左右されやすいので場合によってはウルトラ戦士の平均活動時間3分間を大きく下回ることも懸念される。
腕力については「10万トンの物を持ち上げる」とあるが、16万トンを誇るギラドラスを投げ飛ばしているところからテンションや感情などによって発揮できる力に大きく開きがあることがうかがえる。
やはり本職は戦士ではないというところから、パワーはさておき戦闘経験などは専門家に譲る部分が多いと思われる。
イメージとしては「腕っ節の強い土木関係のお兄さん」という感じ。
決してプロ格闘家に引けをとる能力ではないのだが……
ただ独学でここまでの戦闘能力を身につけたことを考えると、才能の塊であるため、他の戦士と同じ警備隊からキャリアを開始していれば最強の戦闘能力を誇った戦士になったかもしれない。
8位 ウルトラマンレオ
ウルトラマンの中でも屈指の武闘派戦士。
しかし元々はL77星の王子様であり、その不屈の魂は師匠であるウルトラセブンから受け継いだものである。
体術に長けており、相手をスピードで翻弄する華麗な闘いが持ち味である。
スペックは以下
身長:52メートル
体重:4万8千トン
年齢:1万歳
飛行速度:マッハ7
走行速度:時速800キロメートル
水中速度:150ノット
ジャンプ力:少なくとも1000メートル
腕力:20万トンタンカーを持ち上げる
視力:100キロメートル先のマッチ棒も見える。
身長40メートル前後が多い昭和ウルトラマンの中では長身の部類に入り、その分リーチが長いことがアドバンテージとなる。
しかし活動時間が2分40秒ほどと、若干平均より少なく、エネルギーが尽きやすいのが悩みの種だ。
競馬でいうと「逃げ切り型」の部類に入り、どれだけ早期に相手にダメージを与え、消耗させるかが肝となるため、堅い敵に関しては不利となる。
セブンが「才能の戦士」であることに対し、レオは「努力の戦士」であり、他のどのウルトラマンより自分を追い込む描写が顕著である。
加えて1万歳という、ウルトラ戦士の中では若年であるため1万5千歳、2万歳と努力を積み重ねていけば将来が非常に楽しみな戦士である。
7位 帰ってきたウルトラマン
ウルトラセブンの後任として地球を守る使命を帯びた戦士。
名前は「ウルトラマン2世」や「新ウルトラマン(新マン)」などがあるが、のちに正式に「ウルトラマンジャック」となった。
さまざまな怪獣と戦い何度か敗れてはいるが、再戦は必ず勝利を収めその度に実力を上げていった。
空手を彷彿とさせる動き、多彩な能力を持つ光線技が魅力。
スペックは以下
地球での活動時間:3分
身長:40メートル(ただし一時的に人間サイズで活動、もしくは同程度にミクロ化することも可能)
体重:3万5千トン
年齢:1万7千歳
飛行速度:マッハ5
走行速度:時速600キロ
水中速度:180ノット
ジャンプ力:400メートル
腕力:10万トンタンカーをいとも簡単に持ち上げる
聴力:200キロ先の針の落ちる音も聴こえる
頭:鉄の2千倍の硬さ
このウルトラマンから活動時間が3分という設定が明確にされた。(それ以前はカラータイマーが赤くなると危険信号というだけ)
数値上のスペックは、初代ウルトラマンに準拠した部分が多く、それにウルトラセブンの能力が多少付加された設定である。
このウルトラマンは「ブレスレットが本体」という不名誉な称号をネットで与えられているが、初代ウルトラマンが手も足も出なかった最強の敵である「ゼットン」を己の技だけで倒している。(2代目は養殖と言われているが、腐ってもゼットンである!)
また、技の成長も目覚ましく、一度敗れた怪獣には新しい技を開発し、見事成功・勝利している。
(ちなみにSFC・ヒーロー戦記のウルトラ戦士最強技は帰ってきたウルトラマンの「流星キック」で、「アイスラッガー」よりワンランク上の技)
体術と光線技のバランスが良く、劇中で1度しか使われず幻の光線技となってしまった「シネラマショット」を使用すれば兄弟でも屈指の実力派であると言える。
(「シネラマショット」はセブン最強の光線「ワイドショット」を上回る威力を誇る)
ちなみにこの作品、僕が一番好きなウルトラマンである。
6位 ウルトラマン80
愛と勇気を地球人に説くウルトラマン先生。
ウルトラ戦士では珍しい、劇中無敗を誇った戦士である。(ユリアンの助けがなかったら危険なシーンもあったが……)
アクロバティックな闘いを得意とし、異空間での戦闘をものともしないガッツも魅力である。
スペックは以下
身長:50メートル
体重:4万4千トン
年齢:8000歳
飛行速度:マッハ9
走行速度:時速1700キロメートル
水中速度:630ノット
潜地速度:マッハ5
ジャンプ力:700メートル
昭和ウルトラマンの中ではバツグンの若さを誇る期待のルーキー。(なのに先生)
慈愛に満ちた性格のためか、怪獣相手にも手加減することが少なくない。
だが技の多様性は若年にしてはかなりの物を持っており、光線を具現化させて槍のように使用したり、観音様と一緒に放つ「ウルトラカンノン光線」など、環境を利用した戦法なども強力である。
しかし真の持ち味はそのアクロバティックな戦法にあり、多くのウルトラ戦士はこの80に学ぶべきところも多い。
一つ一つの技には歴代最強と言われるような技はないものの、成長性と環境利用にかけてはピカイチの才能を持つその様は、「グラップラー刃牙」に登場する範馬刃牙やガイアを彷彿とさせる強さである。
ちなみに初めて僕が観たウルトラマンであり、「帰ってきたウルトラマン」と同じくらい好きな作品です。
5位 ウルトラマンエース
元祖光線技のデパート。
ヤプール人が生み出した、怪獣を超える強力な敵「超獣」を相手に闘う戦士。
その姿は両性具有の観音をモチーフとされており、性差を超えた最強のヒーローとして描かれている。
スペックは以下
身長:40メートル
体重:4万5000トン
年齢:1万5千歳
飛行速度:マッハ20
走行速度:最高時速1000キロメートル
水中速度:220ノット
地中速度:マッハ4
ジャンプ力:900メートル
腕力:14万トンタンカーを持ち上げる
握力:9万8000トン
戦力:兵力71000人分、艦船190隻分、航空機750機分、アメリカ第7艦隊以上の戦力を持つ。
ウルトラシリーズの超新星として、それまでのウルトラ戦士を超えるスペックを設定され、満を持して登場。
技の多様性はウルトラマンの中でも最高で、特に相手を切り裂くギロチン技が豊富。
作中でもフィニッシュは光線技と共に、とにかく切断技が多い!
そして元祖「異次元で闘うマン」であり、ヤプールのテリトリーである異次元空間でも臆することなく立ち向かう勇気を持つ。
その反面恵まれた戦闘能力を上手く駆使できず、もてあましている描写も多く典型的な「力に振り回されているタイプ」であることも否めない。
環境や相手によって得手不得手がハッキリ分かれる戦士であり、ドラゴンボールで言うとスーパーサイヤ人でムッキムキになったトランクス的立場である。
4位 ウルトラマンジョーニアス
アニメ出身のウルトラ戦士。
U40という星の生まれであり、レオと同じように他のウルトラ戦士とは異なる出身地である。
アニメならではのスケール感で、自分より非常に大きな怪獣と渡り合う勇敢さを持つ。
スペックは以下
年齢:2万8000歳(U40年齢)
身長:70メートル(最大120メートル、最小ミクロまで大きさ変化可能)
体重:5万トン(最大8万5千トン、最小ゼロまで大きさ変化可能)
飛行速度:マッハ8
地中速度:マッハ8
腕力:20万トンタンカーをいとも簡単に持ち上げる
ジャンプ力:1000メートル
活動時間:4分
年齢に関しては他のウルトラマンと基準が若干違うような描写であるが、それほど世代の違いは感じない。
しかし身長に関しては標準でウルトラマンの2倍近い数値を誇っており、アンドレ・ザ・ジャイアントを彷彿とさせる巨大さである。
加えて活動時間は4分間であること、そして飛行速度・地中の移動速度がマッハ8という何となく矛盾を感じるスペックは驚異的である。
パワーにおいても今までのウルトラマンが10万トンクラスの腕力だったことに対して、2倍の力を誇るというまさに「倍々マン」である。
目立った弱点らしい弱点が特に見つからないという、オールラウンダーなその特性は日本体操界最強のオールラウンダー・内村航平を彷彿とさせる。
3位 ウルトラマンタロウ
ウルトラ6兄弟の末っ子であり、最強の呼び声高い戦士。
唯一ウルトラの父の血を継いでおり、その証として「ウルトラホーン」と呼ばれるツノを持っている。
若さゆえの猪突猛進さ、己のダメージをかえりみない豪快な技が持ち味である。
スペックは以下
身長:53メートル
体重:5万5000トン
飛行速度:マッハ20
走行速度:マッハ1(時速1240キロ)
水中速度:160ノット
地中速度:マッハ6
ジャンプ力:600メートル
腕力:ウルトラ兄弟の中で一番のパワーを誇る
年齢:1万2千歳(放映当時の設定は1万8千歳)
その他:ウルトラダイナマイトなどで体がバラバラになっても、心臓が無傷なら再生可能。また、想像以上に大きなダメージを受けると、カラータイマーが点滅していなくても身体が青白く発光しながら消滅する。エースに匹敵するエネルギーを持つ。
背も高く、飛行速度等も他を圧倒する最強のスペックを誇り、数値だけなら完全にウルトラマンエースの上位互換である。
また、コミカルな描写も多く、爆発的なパワーを誇る技から相手の意表をついた意外な技までさまざまである。
しかし圧倒的な経験値の低さから、エースと同じく自分の力を引き出し切れていないため、どんな戦いも全勝とはいかないようだ。
映画の一場面ではあるが、自分より年下であるはずのウルトラマン80の闘いを参考に鍛錬を行うシーンもあることから、父からは過保護な扱いを受けていた節がある。(80のデビューが早すぎるという可能性も)
のちに戦士を育てる教官に躍進するが、現時点ではまだまだ先の有望な青い若者という印象であり、「機動戦士Vガンダム」のウッソ・エヴィンのような早咲きの才能を持っているとも言える。
2位 ウルトラマン
ここでやってきた初代ウルトラマン。
その雄姿は時代を超えて人々を魅了し、地球人がウルトラマンを認知する始祖となった偉大な存在。
経験値をうかがわせる堅実な戦い方、そしてどっしりとした風格が最高である。
スペックは以下
身長:40メートル
体重:3万5千トン
年齢:約2万歳
飛行速度:マッハ5
走行速度:時速450キロメートル
水中速度:200ノット
地中速度:マッハ3
ジャンプ力:800メートル
腕力:10万トンタンカーを持ち上げる
キック力:320文の威力がある
ウルトラマンでは平均的な能力であり、これまでに紹介したウルトラ戦士の中でも抜きんでた能力はほとんどない。
しかし、技に対する真摯さ、先述した経験値は及ぶものがおらず、ウルトラ戦士が全員習得している「スペシウム光線」を実戦であそこまで完成度を高く使用できるのは彼だけである。
加えて強靭な体・防御力を誇り、敵の攻撃を分厚い大胸筋で受け、平然と立っている描写は有名である。(カラータイマーが壊れないか不安……)
戦法はスペックの似た「帰ってきたウルトラマン」と対象的で、体を屈めた状態を基本とするレスリングのような戦闘スタイル。
ゆえにスピーディーな戦闘は得意ではないが、粘り強い闘い方を続けることで数々の強大な怪獣を屠ってきた。
「原点にして頂点」という意味では、「勇者エクスカイザー」のエクスカイザーを彷彿とさせるキャラクターである。
1位 ゾフィー
ウルトラ兄弟最強の長兄・ゾフィー。
彼の活躍は個別のTV作品がなく、客演でも苦戦していることが多いが、宇宙警備隊の隊長であり、まぎれもなく最強のウルトラ戦士である。
スペックは以下
身長:45メートル
体重:4万5千トン
年齢:2万5千歳
飛行速度:マッハ10
走行速度:時速650キロメートル
水中速度:300ノット
地中速度:マッハ5
ジャンプ力:450メートル
腕力:16万トンタンカーを持ち上げる
ウルトラ戦士としては標準+のお世辞にも圧倒的という存在ではないが、M87光線という単体では最強の光線技を持っており、数値のスペックが必ずしも強さの証ではないといういい例である。
また、彼を歌った歌詞の中でも「ウルトラ兄弟ナンバー1」と言っていることから、子供の目線から見ても最強であることはゆるぎない事実である。(ナンバー1であるが「最強」とは言ってないのが気になるが……)
彼は様々なウルトラ作品に客演しており、その度に敵にやられてしまい所謂「噛ませ犬」的な立場をとっているが、それは単に相手の怪獣がそれだけ強力なだけであり、決してゾフィーの実力が劣っているわけではない。
兄弟たちの力を借りながら、力を貸しながら敵に辛勝していく姿は「ドラゴンボール」孫悟空のようである。(悟空も一人では倒せなかった敵は多い)
単純な強さだけが能じゃない!
今回のランキングに不満な人も多いかもしれない。
しかしこれは単純に準備されたフィールドでの話であり、環境や相性もその時によって様々である。
例としてあげるなら
光線技で闘うならエース
打撃技で闘うならレオ
空中戦なら80
全員がブレスレット・武器を使うなら帰ってきたウルトラマン
地中を含む自然での戦闘ならジョーニアス
超能力対決ならばセブン
真正面のドつき合いならタロウ
投げ技、絞め技、スペシウム光線なら初代ウルトラマン
が最強である。
そして彼らの実力は拮抗しており、決して大きな序列などない。
そういうわけで、これからも彼ら一人一人を最強の戦士として僕は応援し続けたい。
ちなみに、ウルトラマンキングとその他ウルトラ戦士の実力差は、人間がウルトラマンに挑むくらい無謀なことらしい。
ジジイが最強とは、ウルトラの世界も大変そうである。
エンド