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2016年10月12日 08時29分 UPDATE

「市職員が格闘ゲーム世界大会で優勝」 “嘘記事”なぜ生まれた? 問題の職員、その後は…… (1/4)

「パリで開かれたゲームの世界大会で優勝しました」……この会見、実は大ウソだった。なぜ“幻の世界チャンピオン”が誕生したのか。

[産経新聞]
産経新聞

 「パリで開かれたゲームの世界大会で優勝しました」−。9月26日、群馬県太田市役所で記者会見が開かれ、会見席で同市臨時職員の男性(23)は満面の笑みを浮かべ、出席した記者たちの前でゲームのコントローラーを操作してみせた……。「パリには日本から1人だけスポンサーの通訳付き招待で参加。敗者復活戦で勝ち上がり、米国人を破って優賞した」はずだったが……。

画像 記者会見で男性はゲームのコントローラーを操作してみせた=9月26日、群馬県太田市役所

 この会見、実は大ウソだった。会見翌日に地元紙の上毛新聞と、朝日新聞群馬版に記事が掲載されると、インターネット上で炎上し、太田市には、「嘘ではないか」との苦情が殺到した。市側が本人に確認したところ、パリにも行っていなければ、パスポートさえないことが判明した。このウソに、両紙はそろって「事実無根だった」と訂正し、おわび記事を載せる羽目に。なぜ“幻の世界チャンピオン”が誕生したのか−。

上司は元広報課長

 事の発端は、男性の職場の上司である市の産業環境部長が、「世界大会優勝」という男性のウソを信じ込んでしまったことだ。部長は「ゲームとはいえ世界チャンピオンとなったとの報告を受け、とてもうれしかった」と話している。

 この部長、2年半前までは広報課長で、マスコミ対応はお手の物。

 「本人は臨時職員なので、市役所や民間企業を含めて正規職員になれればいいなとの思いがあった」。部長は、話題になることが彼のプラスになると考え、記者クラブに加盟する各社に情報提供をした。男性はこの部長に背中を押される形で、記者会見を開くことになった。

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