大口病院の連続殺人事件の続報
週刊文春10月13日号に大口病院の特集記事が掲載されていると知って、遅ればせながらさっそく購入しました。
事件の概要に関しては、今までネットで出回った情報をまとめた感じで、前に書いた記事と大差ありません。
前編の時期は↓です。まだお読みでない方はこちらからどうぞ。
この事件は元々、FUSHICHOUさんのTwitter上の告発から始まっていることもあり、ネット発のニュースなんですよね。ただ、その時(8月の段階)はこれほどまでの大事件になるとはFUSHICHOUさん以外は思っておらず、9月になって皆さんも既にご存知の通り事件が起きてしまいました。勇気を出して、声をあげてくれた人がいるのに・・・事件を未然に防げなかったことが非常に悔やまれます。
この大口病院の点滴異物混入殺人事件は、既存のマスコミ(新聞・テレビ)がネットの情報を追いかけるという構図で、真贋混じってはいるものの重要な情報は既にネットにあると見ていいと思います。
ただ、今キレッキレの週刊文春だけあって、一般人では知りえないような情報や関係者のインタビューが載っていたこともあり、続報という形で記事にまとめてみます。
読んでて思ったのは、やはり大口病院では看護師さん間の人間関係が非常に悪く、パワハラが日常茶飯事だったみたいです。
詳しく知りたい方は、週刊文春10月13日号を見てもらえればと思います。
やはり大口病院のパワハラ・イジメは存在した
予想はできていたのですが、大口病院にはパワハラが存在し、人間関係も悪かったことが文春の記事で明らかになっています。
パワハラや人間関係の話の前に、簡単に事件の流れをまとめると、2016年9月の大口病院の点滴異物混入殺人事件前に下記のような異常ともいえる事件が連続して起こっています。
4月 | 看護師の筆箱に注射針が刺さっていた 看護師のエプロンが切り裂かれていた |
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6月 | 医師の机から患者のカルテが紛失 |
8月 | 看護師のペットボトルに入っていた飲み物に漂白剤らしき異物が混入。 調べたところ、上部に注射針程度の穴が開いていた |
4月のエプロン切り裂き事件・8月のペットボトルへの異物混入事件の被害者がA子さんです。
A子さんの母親曰く
エプロンの切り裂き事件は何件もあり、娘は被害者の一人でした。娘以外の職員の方のエプロンも切り裂かれていたと聞いています。異物混入のあったペットボトルは外部からの差し入れだったそうです。一本ずつ名前が書いてあり、娘は自分の名前が入ったペットボトルを飲んだ。
引用元:週刊文春10月13日号 30ページ
A子さんは異変に気付き、飲み込まずすぐに吐き出して事なきを得たとのことです。ただ、名前が書いてあるペットボトルに異物が入っていたということは・・・これは完全にA子さんを狙った犯罪です。それも犯人は無差別ではなく、少なくともA子さんを標的にしていた可能性が高く、事故ではなく、完全に確信犯と言っていいでしょう。
さらにA子さんの母親が語るには
驚いたA子さんがペットボトルの容器を調べると、注射器で刺したような跡が見つかった。そのことを上司に報告すると、「自作自演みたいなことをやって」と罵倒され、相手にされなかったという。
「他の看護師と一緒に訴えても病院はうやむやにするだけで、全然対応してくれなかった」
引用元:週刊文春10月13日号 30ページ
この内容を見て、本当に目を疑いました。
複数の人が訴えているにも関わらず、この病院側の対応はひどいとしか言いようがない。さらに「自作自演」と決め付け、罵倒されるという有様です。病院の管理職がきちんと事実調査をせず、うやむやにするなんて本当に馬鹿げています。
そこで娘は警察署にも相談しているのですが、『証拠がないから』と事件として取り上げてもらえなかった。本当はペットボトルを証拠品として警察に提出したかったのですが、病院側にすぐに廃棄されていたのです。
「このままだと殺される」
病院、警察に対応してもらえず身の危険を感じたA子さんは、九月を前に、大口病院を退職していた。引用元:週刊文春10月13日号 30ページ
A子さん、大口病院を退職して正解です。
本当に仕事を続けていたら、A子さんが殺されていてもおかしくはありません。
これまたおかしなことではありますが、最初、A子さんが点滴の異物混入事件の容疑者として疑われていたそうです。
理由は、エプロン切り裂き事件、ペットボトル異物混入事件の被害者(関係者)だからでしょう。事件当時、既にA子さんは大口病院を退職していたことがわかり、容疑者からは外れたとのことです。既に最悪の事件は起こってしまっていますが、さらにA子さんが冤罪で犯人にでもなっていたら、本当に目も当てられなかったでしょう。
大口病院の女帝の存在
間違いました。
これでは女帝ではなく拳王ですね。
かつて大口病院に勤務した看護師が語るには・・・
「女帝とは、現在、六十代の現場トップ、Xさんのことです。Xさんは、院長でも口出しできないほどの絶大な力を持っています。十年以上前に、同じグループの総合病院から移ってきたのですが、それから院内の雰囲気が一変しました。職員に対する好き嫌いが激しく、部下を怒鳴りつけることも、私の同僚でも最低七、八人は彼女が原因で退職しています。現在もXさんは早く退職して欲しいと考える看護師さんは少なくありません」
引用元:習慣文春10月13日号 30ページ
力ある者が正義・・・
そんな理屈が大口病院ではまかり通ってしまっているようです。
さらに 大口病院関係者いわく
周辺のクリニックから入院患者の受け入れ依頼が来るのですが、Xさんが『あのクリニックの先生は嫌いだから』『あの患者の家族は嫌いだから入れない』と、冷たく言い放ち拒否したことがありました」
引用元:習慣文春10月13日号 30ページ
このことが本当だとしたら、Xさんには看護師の資格がありません。病院で働く看護師さんは、本来なら患者さんの命を預かるという崇高な使命があるはずです。好き嫌いで仕事をし、嫌いな患者さんは受け入れない。嫌いな看護師さんを退職させるといった幼稚な行動は、看護師以前に人として職業人としてあり得ません。
そして、A子さんはこの女帝に目をつけられていたらしく
在職中、A子さんがXさんに対して『夜勤の常勤医師をおいてはどうか』と意見を言ったところ、それが理由で無視が始まったらしいです。彼女に何か意見を言うと、イジメが始まるんです
引用元:習慣文春10月13日号 30ページ
医療業界(主に看護師さんの世界)と身近に接するようになって何よりも驚いたことは、一般社会ではありえないようなパワハラ・いじめが当たり前のようにまかり通っていることです。
引用元:http://gigazine.net/news/20151215-mad-max-black-white/
これは本当に悲しいことです。
きれいごとかもしれませんが、良い職場は良い人間関係から始まると思っています。勿論、人間だから完璧ではありません。どうしても相性が悪い人というのは、存在するでしょう。むしろ合わない人がいるのが普通です。ただ、同じ医療人として、好き嫌いではなく、患者さんを元気にする仕事に取り組む仲間として、折り合う地点を見つけ一緒にやっていってもらいたいのです。
皆さんもご存知の通り、今、看護師さんは医療の現場で十分とはいえない状況です。もっと多くの看護師さんが医療の現場で働くことが期待されているにも関わらず、圧倒的に足りていない状況です。それは労働環境が改善されないことと、パワハラ・いじめをはじめとする人間関係の悪さが大きな原因となっています。
看護師さんから今の職場を辞めたいという相談を受けるのですが、個人的なスタンスとして、むやみに転職を勧めるのではなく、「(基本的には)続けられるなら続けたほうがいい」と言う事が多かったのですが・・・正直、今回の大口病院の件では個人的に色々と考えることが多かったです。
最後に
今、看護師の世界でいじめ・パワハラがなぜ起こるのかについての記事を書いていますが、今後、看護師さんの転職についても記事を書こうと思っています。
最後に看護師の皆さん、本当に取り返しのつかない状況になる前に声をあげてください。このブログのコメントでいいので、一言「助けて」と書き込んでください。微力ながら、出来る限りご協力をさせていただきますので。
前編の記事は↓です。こちらも合わせてお読みください。