日銀が9月の金融政策決定会合で、長期金利を操作する新たな政策の枠組みを導入したにもかかわらず、公式ホームページ(HP)で長期金利の誘導は困難とする矛盾した説明が記載されているとして、改訂することを決めた。
日銀は「10年前の古い記述だった」と釈明している。
日銀は9月21日の決定会合で、長期金利目標の導入を決め、当面は長期金利の指標となる10年物国債の利回りが0%程度で推移するよう誘導する方針を打ち出した。
しかし、公式HPの一般向けの金融政策についての説明では、「金利は、期間が長いほど経済情勢に関する予想や、不確実性に左右されます」と指摘。「中央銀行は、(それらを)思いのままに動かすことはできません。誘導に適しているのは、ごく短期の金利です」と、長期金利の操作に否定的な見解を示していた。
この記載に対しては、インターネット上で矛盾を指摘する声が相次いだ。今月3日には国会で野党議員が黒田東彦総裁を問いただし、総裁は「改訂したい」と答弁した。
HPには同日から「現在、改訂中です」とのただし書きが記されている。
HPの説明は2006年に書かれたものといい、日銀は「08年のリーマン・ショック以降の金融緩和で、長期国債などを大量に買い入れることで長期金利に影響を与えることができることは分かっていたが、改訂を怠っていた」(幹部)と釈明している。【安藤大介】