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学祭を守れ!【相談用】
最終発言2016/09/28 21:23:05 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/09/27 02:07:05
オープニング
どこにでも、迷惑な者というのはいるものである。
「この支部の近所に、学校がありますよね? 今週末が学園祭なんですが、そこで何か悪戯をするという予告があったそうです」
集まった者達に、スタッフは状況を説明する。
「H学園は、リンカーや英雄もたくさん在籍する学校で、生徒数も三百人を超えます。学園祭に向けて準備期間に入ったのが先週月曜日からで、火曜日の朝、こんなメモが玄関に貼ってあったそうです」
スタッフが提示したのは、現物のメモを撮影した写真を拡大したものらしかった。何とこのご時世にあって古典的なことに、雑誌か新聞などから切り抜いた文字を貼り付けて作成されていた。
『学園祭三日目、全校を揺るがす何かが起こる』
そう書かれている。
「もちろん、これだけのことなら単なる悪ふざけとして処理されていてもよかったんです。ですが、その日以来放課後の学園祭準備の時間に、校内で何かしら事件が起きたらしいです。といっても規模の小さいもので、例えばある生徒さんの下駄箱にみかんの皮が詰められていたとか、ある教室の中に朝になったら変なぬいぐるみが置かれていたとか、黒板にモナ・リザがチョークで描いてあったとか」
みかんの皮はけっこう嫌がらせの部類に入るが、他の二つは意味がわからない。学校に対する怨恨という動機の線も、これでは当てはまらないような気がする。
「H学園側としては、これだけのことで警察に行くこともできないし、かといって一般開放日である三日目に本当に何か起きてしまったら大騒ぎになるということで、かなり頭を痛めている状況です。尚悪いのは、この件の犯人がリンカー及び英雄であった場合のことです」
それはそうだ。未だにリンカーや英雄に偏見を持つ一般人はいるのだ。というか、まったくいなくなることなど恐らくないのだろう。
そして一部の者の行動のせいで、大多数がそういった偏見から生じる悪意や害意の対象になるというのは、避けなければならない事態だ。
「というわけで、今回皆さんには、一般のお客さんを装って学園祭の警備に当たっていただきたいのです」
スタッフは机に両肘を突き、組んだ両手の影に顔の下半分を隠して厳かに言った。
「できれば犯人を特定し、捕縛するのが最上ですが……。全校生徒三百人以上、さらにそれ以上のお客さんが出入りする当日ではほとんど不可能と考えられます。ですので、何らかの方法で、今後再犯を考えることがなくなるように『警告』するという方法も検討した方がいいでしょう。もちろん、皆さんのいる前で事件が起きたら、速やかに対処に当たってください。よろしくお願いします」
解説
●目的
H学園の学園祭三日目に予告された事件?発生を阻止します。
●状況
学園祭準備に忙しい時期に、不可解な出来事が連日発生しています。いずれも規模は小さく被害を受けた人などはほとんどいませんが、犯人の目的や動機が不明であり、犯人特定も難しく、学校側も困惑しています。事件の性質上警察に届け出ることも今のところできていません。H学園はリンカーや英雄もたくさん在籍しており、もし犯人がそういった人であった場合、下手をすれば世間の一部の人達からの悪意により事態の拡大なども懸念されます。
問題の学園祭三日目は一般公開日なので、外部からのお客さんの多数の出入りが予想されます。何か起きないように警備し、できれば犯人を捕まえることが理想ですが、現段階でそれが難しいため、犯人に確実に伝わるようなやり方での『警告』を発し、再発防止に務めるという方法の検討も良策と考えられます。もしなんらかの事件が発生した場合は、速やかに対処し、被害が拡大しないように全力を尽くしてください。
プレイング
リプレイ
●下準備中!
「OK! それじゃあ派手に行こう、リンドウは愛想良く、ねっ」
木霊・C・リュカ(aa0068)の言葉に、凛道(aa0068hero002)はひくつく口元を手で上げつつ頷いた。
「うう、酷いことにならないように、未然に防がなければ……」
紫 征四郎(aa0076)は、以前学校に愚神が入り、人が死んだ時を思い出してぎゅっと拳を握りしめる。
「落ち着けよ。今回はそう悪質でもなさそうだけどな。ん、最善を尽くそう」
そんな征四郎に、ガルー・A・A(aa0076hero001)は努めて明るく声をかけた。緊張感はある程度必要だが、思い詰めすぎるのはよくない。
リュカ、凛道、征四郎、ガルーは、事前に下駄箱にみかんの皮を詰められた生徒に話を聞いたり、ぬいぐるみの種類を検索するなどの周辺調査を進めるのと同時に、学校側に相談を持ちかけて問題の学祭三日目にあるイベントの開催を提案していた。その名も『悪戯するヴィランの足取りを追え!』。イベント内でこれまでの悪戯と似たようなポイントを校内にいくつか仕掛け参加者は校内及び屋台巡りを行うついでにポイントを探すスタンプラリーの様な手軽な物を勧めた。イベントとして行いたいという目的は、もし犯人(?)側の悪戯があってもラリーの中の一つなのではと来場者に思ってもらう、言い訳が通りやすくなることと、犯人への牽制だ。
犯人の特定はやはり難しく、目的もわからない以上、事前に捕縛することはまず不可能だった。第一、そもそも悪意があっての行動だったのかただの悪戯だったのかもわからない。もし後者だった場合、騒ぎを大きくするのは逆効果だ。誰にとってもいい結果にならない。
「もしかしたら悪ふざけでもねぇのかもしれねぇな」
これまでの事件を調べた結果をおさらいしていたガルーが言う。
「悪ふざけじゃなくてなんなんです?」
「ぬいぐるみをプレゼントしようとしてたとか……」
「ちょっと無理があるのです」
くまやうさぎなどの可愛いぬいぐるみなら百歩譲ってあり得たかもしれないが、調査の結果ぬいぐるみはスベスベマンジュウガニだったので、まずプレゼントではないだろう。
「悪戯するヴィランの足取りを追え!」イベントのメリットは、警備を表立って行えること、一般客に周囲に気をつけさせること、犯人への牽制、もし事件が起きてしまった場合、学園のリンカーに目が向かないようになどの狙いがある。
イベント自体はヴィランの痕跡を追うストーリーのスタンプラリー。スタンプ自体は露店などに置かせて貰うことも提案した。「お客が流れていいかもです」という征四郎の一言が大きかったのだろう。
彼女達四人は、HOPEの制服とコートをそれぞれ着用している。スマホと通信機併用で、今回の作戦に参加している全員と速やかに連絡が取れるようにという準備も怠らない。
リュカは学園祭本部の近くで待機、生徒さん達とお喋りしながら定期的にイベントの放送を入れてもらったり、寄せられる落し物や悪戯の情報に対して事件性?が無いか確認たりする担当になった。
「今ならHOPEの制服も無償貸し出し中なのです!」
征四郎とガルー、凛道は、HOPEの正装や警察の制服、またはそれに似たものをできるだけ用意し、積極的にイベント参加者にお勧めしていた。一般の人にも着てもらうことで犯人への牽制になるようにという狙いだ。視覚からのインパクトというのは、かなりの抑止効果がある。
「でも、もし犯人を見つけたらこちらへ連絡をください。HOPEのエージェントは、協力が一番ですから」
ウィンクして一般人が単独で動かないよう念を押す征四郎だった。
●学園祭警備中!
「朝霞……高校生の制服は、ちょっと無理があるかもよ」
「なによ! 私だってまだまだイケるわよ!」
大宮 朝霞(aa0476)と春日部 伊奈(aa0476hero002)は、H学園の生徒として学園に潜入・警備を行っていた。生徒数が多い学校なので、一人や二人見慣れない生徒がいても気づかれない。
そんなステルス性を生かして学園祭の一日目と二日目にも学園内を歩き回り、学園の地図を覚えていた。犯人が下見にきている可能性もあるので、不審者がいないかも気にしつつ見回った。
「犯人の目的や動機がわかれば、なにを企てているのかも推測できるかもしれないけど……」
「ソイツさ。これまでもぬいぐるみとかメモとか残していってるだろ? そこになにか手掛かりがあるんじゃねぇの?」
「そうね。みかんの皮をたくさん剥いたのなら……犯人の爪にはみかんのスジがつまっているかも……」
「……」
結局めぼしい手がかりは見つからなかったので、メモの線からそれとなく搦め手の揺さぶりをかけることも試した。メモの内容についてどれくらい生徒達に知られているかをそれとなく聞き込んだり、伊奈が「ねーねー、知ってる? あの張り紙の事さ。学園祭の三日目、なにが起きるか楽しみじゃね?」
などと話かけたりして、反応を確かめた。目立った動きは確認されなかったが、彼女達の行動が回り回って犯人達の耳に入れば、何らかの行為を誘発できる可能性もある。
そして三日目がやってきて、リュカや征四郎達主体の作戦も始まった。
「アサカもイナも大人っぽいのです!」
「ばーか、これは可愛いっていうんだよ。ねぇ朝霞さん! お似合いですよ!」
放送席に様子を見に行ったら、征四郎とガルーの二人がちょうど待機していた。ポイントごとの見回りを、時間を決めて行っているらしい。今は、凛道が見回りに行っているそうだ。
「はーい、十一時になりました! 現在悪戯を一つ見つけた方は二名となっており……」
放送席からは、リュカがアナウンスを流す。
「ガルー・A・A、職務怠慢も罪ですよ。さっさと働いてください」
そこへ凛道が戻ってきた。
「せ、征四郎さんは何か食べたい物などあ、りませんか!!」
声を裏返して征四郎に話しかける様が健気だ。
「おつかれさまです!」
「やだぁ凛道ちゃん怖い、ちゃんと働いてるって。俺様焼きそばな」
凛道を労う征四郎と、すかさず奢りをリクエストするガルー。
「屋台の焼きそばって美味しいよねーv」
そして便乗するリュカ。本部で頑張っている生徒さん達の分もと凛道に頼んで、焼きそばを買いにやらせる。征四郎達も、ジュースを差し入れしたそうだ。
「じゃあ、頑張ってね」
彼らに手を振って、朝霞と伊奈は警邏に戻ることにした。
「朝霞さー。いつもみたいに”ウラワンダー参上!”とか騒いで回れば、抑止効果もあるんじゃね?」
声を小さくして、伊奈が提案する。確かにそれはこの上なくインパクトがあり、HOPEの介入を知れば恐れをなして犯人が行為を思いとどまるかもしれない。しかし。
「……学園祭の主役は、H学園の生徒のみんなだからね。私はあんまり目立ちたくないのよ」
朝霞の言葉に、伊奈は一瞬沈黙したが、すぐにいつもの調子で返す。
「へぇ、朝霞が目立ちたくないなんて、めずらしい事を言うね。やっぱり何か起きそうだな!」
朝霞は何も言い返さなかった。代わりに伊奈に向かって拳を差し出す。こつん、と伊奈もそこに自分の拳を合わせた。
「よし、頑張って見回ろう」
二人は、見回りを再開する。
「ねーねーきいた? HOPEのエージェントが警備に潜入してるらしいよ!」
などと大声で会話し、犯人を牽制するのも忘れない。
思いとどまってくれればいいのだが。
●祭は踊る
「今回の事はただのお祭り好きかちびっこが良かれと思ってやってると俺は思うよ!」
というのは、ルフェ(aa1461hero001)の説だ。
「悪戯の大半が楽しませよう、それがいいと思ってやってるのでは、だそうです。みかんの皮もある生徒さんの足が臭いから臭いけしだとかなんだとか、他の悪戯も可愛いと思って、みんな喜ぶと思っての可能性があるとか」
想詞 結(aa1461)が、ルフェの言葉を補足する。無音 冬(aa3984)、イヴィア(aa3984hero001)、要(aa4229hero001)、無音 秋(aa4229)は、お互いの顔を見合わせた。
「それなら平和でいいですけどね。私には男子生徒の悪乗りに見えるです」
結は言った。確かに、たまに悪ふざけを高じさせてしまう男子生徒というのは存在する。それで例えば修学旅行先で何かやらかして怒られたりする話もよく聞く。
「もしかしたらということもありますから、私は警戒しておきましょうです」
「むしろ、邪魔しない方が盛り上がると思うんだけどなー」
「危ないことをするかもしれないので放っておくのはなしです」
たとえふざけているだけだったとしても、それが事故に繋がる可能性は常にあるのだ。巻き込まれた人にとっては、行為者の意図など二の次である。だから、未然に防がなければならないのだ。
「ターゲットは準備をしてない人……夜中、早朝に学校に入った人……? 生徒以外の学校関係者に絞ろうか……」
冬は、冷静に推理を組み立てている。
「……今日の分は昨夜すでに準備されているのかな……」
たとえ予想が外れていても、冬が学校関係者に目をつけておけば皆が他を調べられる。そういう考えだ。
「冬が目を付けた所以外を調査するか……。昨夜仕掛けられてたんじゃまずいしな……」
「承知した……」
秋と要は、冬の意図を受けて行動を決めた。
「犯人の目的は何だろうな……一体何がしたいんだ……」
「……直接聞こう……」
残されている手がかりから探ることも不可能な以上、そうするしかない。
「ルフェ君曰く、もし規模の大きな悪戯をしようとしているならそこには何らかの準備が既にあるだろう、だそうです。それがどこだかの見当まではつかないそうですけど」
「校内、人があまりいない所……全校を揺るがすという事で放送室とかも調べておこう……。どこかに隠れてるかもしれないし……判断材料が少しでもあれば良いな……」
各々考えをまとめながら、見回りのために散っていく。
「ルフェ君、悪戯っこパワーで犯人が何をしそうか当ててくださいよ」
「結お姉ちゃん、流石に俺でも他人の頭の中まではわからないよ」
それでも屋上、体育館等の舞台とかの候補を出してくれるだけ、ルフェは流石と言うべきだろう。
ルフェには、学校の先生方に許可を取ってもう一つ遂行したい作戦があった。
【悪戯のプロ、ルフェが君たちを見逃さない】
と書いた張り紙を、玄関のところに貼っておくことだ。犯人(?)のメモが残されていた場所でもあり、心理的にも注目するだろうから、そうすることで警告になるはずだと結も考えた。
「俺だったら仲間がいたら喜ぶよ?」
とはルフェの弁だが。
さらに紙には小さく『悪いことじゃなく面白いことなら俺も混ぜて』という内容とルフェの似顔絵まで記載されている。危険がなく、本当にただの楽しい悪戯の範疇ならルフェは特に犯人に対して何をするつもりもないようだ。結は、一応その場合でも先生方にだけは報告しておこうと思っている。
「内容次第では問題があるかもですからね」
とりあえずは、リュカ達が行っているスタンプラリーのイベントに参加しつつ、さりげなく『HOPEが学園内にいるらしい』という噂を流すことにした。
一方冬とイヴィアは、聞き込みを中心に活動していた。学祭準備期間中にサボっている人物などがいなかったか、怪しい人物を見なかったか、など訊いて回る。だが、準備の間はそれぞれみんな忙しくて周りに注意する余裕などなかったという答えがほとんどだった。期間が決められているのだし、確かにそういうものだろう。下手をすれば、こっそりサボっても気づかれないのかもしれない。
「駄目だ……」
「少し休もう」
イヴィアに勧められるまま、軽食のとれる模擬店で休憩する。その間にスマホを確認してみると、秋から連絡が入っていた。スキル「罠師」を使用して機械的な罠の仕掛けを探索していたらしいが、特に引っかかったことはなかったという。良かったのか悪かったのか、微妙なところだ。
「少なくとも、罠の心配はしなくていいということだ」
「うん」
そう考えれば、考慮しなければ行けない可能性の一つを封じられたということになるか。
しかし、根本が解決したわけではない。冬は考え込む。
未だに犯人に直接結びつくような証拠も、有力情報も無い。捕縛したり説得したりするのも、現時点では無理だ。時間は刻々と過ぎていく。今のところ何も起きてはいないようだが、まだ学祭の終了までだいぶある。
他のメンバーが行っている牽制策で思いとどまってくれていれば、それはそれでいいのだが。
『……時になりました! 現在悪戯を四つ見つけた方は五名となっており……』
放送のスピーカーを通して、リュカの声が聞こえてきた。スタンプラリーを模した牽制作戦は、順調に進んでいるらしい。
「そうだ」
学祭を壊すわけにはいかない。やはり、イベントに見せかけて『すでに犯人を補足した上で泳がせている』と思わせ、間接的に行動を止めるしかない。
冬は食べ終わった紙皿などをきちんと捨てたあと、イヴィアを促して模擬店を出た。
目指すは、放送室。
●説得
スピーカーから流れる声と熱い音楽に、学園敷地内にいたほとんどの人々が注目した。
『聖霊紫帝闘士ウラワンダー参上! 悪人は逃がしません!』
女性の声だ。それと同時に、異貌の者達が敷地内のあちこちに出現した。
何かのヒーローアニメか特撮ものの主題歌らしい曲に合わせ、彼らは各々決めポーズらしき体勢を決める。これもイベントの一つと判断した周囲からは、ぱらぱらと拍手が起きた。
「凛道、かけ声も入れてあげて」
「……」
群衆に紛れて拍手していたリュカが、凛道を嗾ける。無茶ぶりされた凛道は首をかしげていたが、結局棒読み口調で「がんばれー」と言うに留めた。
「あれはHOPEのエージェントなのです!」
征四郎は、周囲に充分聞こえるようによく通る声で言った。ちなみにガルーは、決めポーズを取る方の人々に加わっている。
なかなか目に見えた効果を確認できないことから考え出した、最終作戦だ。主に秋が中心となって学園に通うリンカー達に呼びかけ協力してもらい、大々的に「エージェントがいる」ことを周知し、犯行抑止する。生徒達はみんな共鳴しているので、明日からの学校生活にも支障は無いだろう。共鳴時とそうでないときは、外見が異なってしまうことが多いからだ。
「聖霊紫帝闘士ウラワンダー参上!」
極力目立たないことを心がけていた朝霞だが、事ここに至ってはそうも言っていられない。伊奈と共鳴し、そのインパクト抜群の姿で人々の歓声をゲットしていた。ただし学祭のイベントに見せかけるだけなので、頃合いを見て速やかに退場する。
ルフェはリンカー達をさらにかっこよく見せるため、得意の手品で演出を担当している。結も彼を手伝っていた。場を盛り上げるため、拍手などを挟むのも忘れない。
「結お姉ちゃん、そっちの紙テープ取って」
「はい」
ルフェの手品とリンカーの姿に、またまた歓声が上がった。
さらに冬がスキル「幻影蝶」を使用したため、実際にいるよりもたくさんのリンカーがいるように人々には見えている。
「……怪我はさせない……皆初対面だけど……信じてる……」
一旦放送室に戻った冬は、ループにしていた音楽CDを調整し直した。たまたま適当なCDが放送室にあってよかった。
マイクがオンになっていた。
「事情は聞くけど……だめだよ……こんな事しちゃ……迷惑をかけるなら家族まで……」
届くだろうか。
もし聞こえていたら、きっと理解できる者がいたはずだ。その意味を。
届いてほしい。
●祭の終わり
「巻き込んで悪かった……」
協力してもらったH学園在校生のリンカー達に、秋は頭を下げる。できれば学園の生徒の誰にも事情を説明しないでことを収めたかったのだが。
他、リンカーではない一般の生徒にも、何人か事情を説明して協力してもらった。秋としては『巻き込んだ』形になる。
結局犯人は見つからなかったし、当然動機もわからないままだった。だが少なくとも、何らかの事件が起きることだけは防げた。
無事に学園祭を終わらせ、事件を未然に防ぐ。そして大局的にはHOPEやリンカー、英雄といった存在に悪いイメージを持たせないようにするという目的は、見事に果たしたことになるのだ。犯人の捕縛は、そのための一手段に過ぎない。だから、これでよかったのだ。
「皆さん、ありがとうなのです。これ、どうぞなのです」
「お疲れさーん」
「ジュースなのです」
「好きなの選んでね!」
協力してくれた生徒達に、征四郎とガルー、結とルフェがジュースを配って回る。
「んー、おいしー♪」
「まだ食べるんですか……?」
リュカは、また焼きそばを食べていた。凛道はやや呆れ気味だ。
「楽しかったね!」
「ちょっと消化不良だけど……」
朝霞と伊奈も、仕事をこなしつつもしっかり学園祭を楽しんだようだ。
秋はさりげなく辺りを見回し、冬とイヴィアを探す。
「秋」
要が示した方向に、並んで佇む二人の姿があった。
冬は、やはりいつも通り表情の変化に乏しい。彼をよく知らない人が見たら、何も感じていないようにすら見えてしまうかもしれない。
でも、秋は知っている。決してそんなことはないのだと。
秋は冬達の方へ歩き出した。少し離れて、要が続く。
秋達に気づいた冬が、ゆっくりと顔の向きを変えた。その傍らで、イヴィアが軽く頷きかけてくる。
秋は軽く手を上げて、口を開いた。
結果
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