民進・蓮舫代表が応援演説、対立候補には触れず…東京10区補選
小池百合子氏(64)の東京都知事への転出を受けて行われる衆院東京10区補選が11日告示され、民進党から出馬した新人の元NHK記者・鈴木庸介氏(40)のJR大塚駅(東京都豊島区)前での街頭演説の応援に蓮舫代表(48)が駆け付けた。
駅前の街宣車の前に蓮舫氏が現れると、約300人の聴衆から大きな拍手が巻き起こった。小池氏の後任候補には、現職(比例東京)で弁護士の若狭勝氏(59)が、立候補しており、百合子VS蓮舫の「女の代理戦争」と見る向きもあるが、蓮舫氏は演説の中では小池の「こ」の字にも、若狭の「わ」の字にも触れず「お願いはただ一つ。私たちの仲間、鈴木庸介にお力をください」と訴えた。その後は「介護・年金を切り捨て、株価をつり上げることばかりに奔走する」などと安倍政権の経済政策の批判に終始した。
演説後には報道陣の取材に「もちろん支持率で言うとアリがゾウに向かう戦いと思っていますが、介護・年金などの社会保障が争点だと思う」と語り、「(選挙に勝つ)工夫はないですし、まっすぐに鈴木庸介の思いを伝えていくことに尽きると思う」と話すにとどめた。
現在、築地市場の豊洲移転延期などを巡る都の改革で支持を高めている小池サイドへの批判は逆効果になると判断したとみられるが、豊島区在住の50代の主婦からは「安倍政権批判だけでなく、対立候補(若狭氏)との違いをもっと聞きたかった」という声も漏れた。党関係者によれば「代表は国政で忙しく、今後候補者の応援にどれだけ時間を割けるかは分からない」と話した。
鈴木氏は豊島区出身で同区の立教大卒。大学ではレスリング部に所属し、卒業後はNHK記者として警視庁などを担当。立教大経済学部の兼任講師を務めた。「大塚で生まれ育ち、この地で死んでいく人間です。この土地への思いは誰にも負けない覚悟で選挙に挑みました」と訴えた。