【更年期のことどれだけ理解できてますか!?】
「更年期のことどれだけ理解できてますか!?」というタイトルは、みなさんに問いかけているようで、実は過去の私が全く理解していなかったことへの反省と自戒の念の表れなのです。というのも更年期はざっくりと病気の名前だと思ってあまり気にしていませんでした。若いということで勢いに任せて日々を過ごしているような時期があったので、自分には関係のないことのように思っていました。
しかし、後々更年期というのは病気ではなく、生きていれば必ず訪れるものでありその時期特有の症状が出て自覚症状を訴えることによって、病気というカテゴリーに分類されてしまっているということを知ったのです。
ですので「更年期という病気には、自分はおそらくかからないだろう」と思っていたのが過去の私です。しかも、知識があり自覚症状を認識できればまだ早めの対処もできるかもしれませんが、自覚症状を認識できずに過去の私のように理解不足のままだったら手遅れなんてことにもなりかねません。
それでも、「私には関係ない」と思っている若い方々もいるかもしれませんが、今問題に取り上げられているのが更年期の若年化なのです。ですから、若い方でも決して関係がないとはいえない更年期について、できる限りの情報をお伝えしたいと思います。
【“更年期” そして、“更年期障害”】
今まで更年期のことを勘違いされていた方々は、前述したとおり、誰にでもやってくることなのだということをご理解いただけたかと思います。では、過去の私のような“更年期”を病気のことだと間違えてしまうのはなぜなのでしょうか。それは、おそらく “更年期障害”という言葉と同一の意味で解釈していたからだと思います。ですから、以前の私は、「“更年期”は、ある程度の年齢になると発症しやすい病気で、“更年期障害”ともいうのだ。」と間違って理解していたのです。そしてイメージとして“更年期”=ネガティブなものという固定概念を持っていたことになります。“更年期障害”はネガティブなものとして捉えられるでしょうが、“更年期”はネガティブなことではありませんよね? 人間は絶対に年を重ねていくので、それは病気ではありません。だからネガティブなことという位置づけはできないのです。したがって、“更年期”をポジティブにできるかネガティブに捉えるのかは、私たちの生き方次第ということになります。
<更年期って?>
更年期は人間誰しもが迎えるものであって、そこをうまく付き合いながら生きていけるかというお話をしました。では、更年期は具体的にどの状態のことをいうのでしょうか。更年期は、「年齢を重ねることにより卵巣が老化して女性ホルモンの分泌が減る状態になる期間のこと」をいいます。女性は閉経を迎えるのが40代後半〜50代前半にかけてといわれていて、その前後5年くらいの時期が更年期です。ということは、私にも関係しているし、みなさんにも関係していることです。しかしながら、ここからがまた重要なポイントになるのですが、最近では一般的とされていた更年期の時期が若年化してきているというのです。すなわち、若くして卵巣が老化状態になり、女性ホルモンの分泌が悪くなり、排卵しなくなってしまうということ。誰でもカラダは年をとっていきますが、それが年相応ではなくなっているというのが現代の更年期の特徴なのです。
<更年期障害>
更年期障害とは、更年期に出てくる症状のことですが、基本的に自分にしか分からないというのがやっかいなところでもあります。カラダの特定の場所に決まった症状が出ればそれが更年期障害である、というような断定ができないのです。ですから、原因がわからずあげくの果てに色々な種類の病院を転々をさせられるなんてことにもなりかねません。例えば、程度にもよりますが、肩がこっているだけではまず病院には行きません。 ただ、肩こりであるという症状であっても、実は頭痛持ちだったり、また不眠などの症状もある…といった具合に一つ一つ出ている症状を確認していくうちに更年期障害だったということが分かってきます。
そして、更年期障害というのは、文字通り更年期に出てくる症状のことなので、前述したとおり閉経の時期前後5年くらいですから、こういった一連の症状が出たら「年齢的に更年期障害かも?」という判断ができたのです。しかし、更年期の若年化がもたらす弊害が浮き彫りになってきているのが、必ずしも中年とはいえない女性でもこのような症状が出たら、更年期障害の可能性が比較的高くなってきているという点なのです。
【更年期の症状 〜女性編〜】
生理のある女性であれば、例外なくいずれ閉経に至ります。その年齢が一般的に50歳くらいといわれていて、その前後5年くらいが更年期といわれる時期になります。ですから、45〜50歳くらいの女性が持つカラダの不安ごととして、一番といっていいくらいだと思います。
閉経とは、卵巣が寿命を全うしたということですから、閉経すればもう月経がくることはありません。多くの女性は20代のうちに結婚と出産を経験して、更年期の時期に閉経を迎えるというのが必然という世の中だったのです。しかしライフスタイルと価値観の大きな変化によって、社会で活躍する女性たちが多くなり、結婚をしない出産をしないという人生を選択する女性はもはや珍しくもなくなってきました。ある意味、そういった人生は個人の価値観ですからいいのですが、女性も男性と同じように働くことが当たり前になった現代において、女性の更年期が早まることによって結婚や出産のチャンスを逃してしまう可能性もあるのです。
<更年期で女性に起こる症状>
のぼせ、発汗、不眠、イラつき、倦怠感、疲労感、冷え、動悸、めまい、耳鳴り、食欲不振、生理不順…と、あげたら沢山あります。沢山あるからこそ、自分でしか分からないですし、自分でも判断を見誤ることがあります。心とカラダのバランスがいい状態で保てなくなります。むしろ、悪い状態でバランスが保たれてしまう状態になります。これでは、更年期の時期を最悪な気分で過ごさなくてはいけなくなるので、なんとしてでも回避していただきたいと思います。そして、注目すべき点は、月経が順調なのに更年期に突入している女性がいるということなのです。 月経があるのに女性ホルモンが出ていないという女性がいるのも事実ですから、自分のカラダとの対話は常にしておく必要があります。そして、早めの検査と治療をオススメします。
<閉経年齢が変化したの!?>
卵巣が寿命を迎える閉経年齢には、今も昔もたいした変化はないようです。ほぼ50歳くらいであることに変わりはないのです。それでも、30代から更年期に突入する女性が増えているのも確かです。若くして卵巣の老化が早まってしまっているのです。現代社会の生き方や価値観の変化で、結婚するとしても年齢をさほど気にすることなく、仕事やライフワーク優先で先送りにする傾向にあります。そういった生き方をするうえで更年期の訪れの早さに混乱してしまうケースも多くなってきています。
【更年期の症状 〜男性編〜】
更年期についてここまで書いてきましたが、更年期障害は女性特有の病気であるという書き方をしていないことにお気づきいただけましたでしょうか。そうです、男性にも女性と共通した症状が出ることがあり、発症しているのは中年の男性なのです。もちろん女性にしかない生理不順などはありませんが、のぼせ、発汗、不眠、イラつき、倦怠感、疲労感、冷え、動悸、めまい、耳鳴り、食欲不振などの症状が出るようです。男性も女性と同じくホルモンの減少によってこういった症状が出るのですが、女性ホルモンに比べて、男性ホルモンの方が、緩やかな落ち方なので自覚症状が出にくいともいわれています。体力の低下もあげられますが、それは自然なことなのであまり問題ではないとしても、気力や活力が著しく落ちてしまうのが男性にとっては致命傷かもしれませんね。中年といっても、男性にとってはまだまだ働ける年齢ですし、若いころの頑張りが実って仕事もドンドン軌道にのってきている時期かもしれませんよね。そんなときに他から置いてけぼりくらうようなことになっては悔しい思いをすることになります。そして、男性はプライドの生き物ですから、こういったことはなかなか他人に相談することが出来ずに抱え込んでしまう人も少なくないと思います。一見バリバリのビジネスマンほど、内に秘めた悩みは大きいのかもしれません。
<男性の更年期障害で起こるカラダの変化>
女性は卵巣が老化するといいましたが、男性は前立腺に影響を及ぼすことが多いです。不快な残尿感や、排便にやたら時間がかかったり、やけに催したりします。そして、性欲も減少していきます。男性ホルモンは、なんといっても男らしさを表すものなので、それが減少したとなれば、筋肉も落ち力強いエネルギーも発散されなくなります。男性ホルモンで男らしさのオーラを出せてない人には、当然女性としても惹き付けられる魅力を感じないわけです。肉体の見ため的には、痩せたというより、弱々しくスケールの小さくなってしまった印象を持たれてしまうでしょう。
【若年性更年期障害を疑え!】
まさに現代病ともいえる若年性更年期障害ですが、20代にして卵巣が老化するなんて!20代にして性欲もなくエネルギーがない男性になるなんて! とてもじゃないですが、ありえないと思ってしまいます。前述したように、女性の場合閉経の時期は今も昔も変わりないとお伝えしましたね。ということは、更年期が前倒しでやってきているのではなくて、若年性更年期障害というのは、更年期に起こる症状が若くして出てくるという、「更年期障害似」という病気であると考えられます。しかし結果的には若くして更年期障害になっているということと一緒なので、何かしらの改善はしていかなくてはいけません。若いうちによく見られるのは、無理なダイエットによる代償です。若ければ多少のことにはカラダがついていけるので、ブレーキの掛け方を知らないままで突っ走ることがあります。その結果気が付かないうちに若年性更年期障害担っていることもあるのです。更年期障害=若年性更年期障害ではないですが、以下の症状が出ているひとは病院で診断してもらったほうがいいかもしれません。
<若年性更年期障害のカラダへの症状>
- 生理不順
- 頭痛
- 肩こり
- めまい
- 耳鳴り
- のぼせ
- 抜け毛
- 下痢、便秘
- 食欲不振
- 不眠
- ドライアイ
- 体重の減少
これらは、カラダに症状が表れていることなので、手遅れにならないうちに改善や治療をしていただければと思います。
<若年性更年期障害の心への症状>
- 倦怠感
- だるさ
- イラつき
- 集中力の欠如
- うつ
- 人間不信
これらは、正直いって判断に迷います。この中のどれかを発症して、すぐに更年期障害に直結できるくらいの冷静な判断ができるかといわれれば難しいでしょう。しかし、カラダの症状が心の症状を引き起こしたり、逆に心の症状がカラダの症状を引き起こしたりする可能性も考えられます。心とカラダのバランスがいい状態で保たれていることが非常に重要だということですね。
【更年期障害の治療法】
更年期障害の治療法としましたが、ここまでの話の流れや上記にあげたカラダや心に影響する症状を見ていただいても分かるとおり、更年期を乗り越えるためには、生活習慣の改善がマストです! カラダへの悪影響については、圧倒的に睡眠と運動が不足していることが理由でしょう。運度をすれば眠りもよくなるはずですし、眠れるようになれば、カラダが動くようになります。ハードな運動など取り入れる必要はないので、一日のどこかで軽くカラダを動かすルーティンを設けましょう。「時間がない」はウソです! それは「やる気がない」だけです。カラダを動かすことやいい睡眠をとることは男女問わず同じですが、女性と男性では同じヒトでも質が違います。ですから、若干の改善策にも違いが出てきます。
<女性の更年期の乗り越え方>
要は、女性ホルモンをどのようにして活発にしてあげられるかということに尽きるわけです。女性の場合、ポイントは「イソフラボン」です。よく耳にしますよね!? このイソフラボンが女性ホルモンと同じ働きをしてくれるのです。イソフラボンが多く含まれているのは、豆腐、納豆、おから、豆類です。健康食品としてもよく名前のあがる食材ばかりですから、更年期だけに限らず、日常のカラダ作りの一環として大豆食品を摂るようにしていきましょう!
<男性の更年期の乗り越え方>
男性も考え方は同じで、男性ホルモンをいかにして活発にできるかです。男性の場合は、「ミネラル」です。代表的なのが亜鉛ですが、これが男性パワーの源になっているといっても過言ではありません。亜鉛が不足すると、前立腺に影響を及ぼし、精子の生成もおぼつかず、疲労感の漂った頼りない男性になってしまいます。ミネラル(亜鉛)を多く含むものとしては、海藻、魚介類、牡蠣、ナッツ、レバー…などです。男性の方がより自然の恵みの食材を多く摂るといいといったイメージですね。
【更年期と向き合っていく人生】
いかがでしたでしょうか。みなさんは、ここまで読んでいただいて「やっぱり更年期はコワイ!」と感じますか? 恐怖もひとつの感情なのでそれを無理矢理閉じ込めるようなことはしなくていいと思います。しかし、更年期とは向き合っていくことが正しい道であることも確かだと思うのです。なぜなら、ここには普遍的なことがあるからです。すなわち「生きていく」ということは、「年を重ねていく」ということだからです。更年期自体は病気ではありません。更年期という人間として心身ともにステージが変動する、その転換期に自分の生活習慣の改善点が浮き彫りになってくるのだという捉え方ができれば、簡単とはいいませんが、うまく更年期と付き合って乗り越えられるのではないかと思います。ひとそれぞれの人生において、抱えている問題やこなさなければいけない事柄は違ってきますが、そんななかでも、普段から自分のカラダとの対話を欠かさないことで、ひとつでも多くの快楽を感じられるようになるのでしょうね!