【ソウル大貫智子】韓国の周亨煥(チュ・ヒョンファン)産業通商資源相は10日、訪韓した経団連の榊原定征会長とソウル市内で会談した。経団連によると、周氏は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について「近く公式に参加を決定する予定だ」と述べ、日本側に協力を要請した。韓国政府がTPP参加方針を示したのは初めて。
韓国は2013年、参加への関心を表明し、日米など参加12カ国と2国間協議を進めてきた。昨年10月には朴槿恵(パク・クネ)大統領が米韓首脳会談で参加に意欲を示し、翌11月の日韓首脳会談で、韓国が参加を決めた場合、日韓が協力することを確認した。
榊原氏はこれに先立ち朴氏と青瓦台(大統領府)で会談。朴氏は「昨年の慰安婦問題合意以後、両国が未来志向的な方向に発展している」と述べ、韓国への投資拡大や訪韓日本人観光客の増加に向けて協力を要請した。
榊原氏は、年内に日本で開催予定の日中韓首脳会談で朴氏が訪日する際、日中韓3カ国のビジネスサミットへの出席を要請。日中韓自由貿易協定(FTA)の早期締結やTPPの韓国の参加を呼びかけた。