奈良山雅俊
2016年10月11日11時05分
今夏、北海道に大きな被害をもたらした台風が、国の特別天然記念物の阿寒湖(釧路市)のマリモを絶滅の危機から救った。マリモの生育を妨げていた水草が大量に打ち上げられ、環境が一気に改善したためだ。
8月17日に上陸した台風7号は、強い南風が湖をかき回し、マリモが群生するチュウルイ湾北側の湖岸に、約122トンもの水草を打ち上げた。マリモは一部が打ち上げられただけで、湖内はすっきり。
温泉街の排水で富栄養化した阿寒湖は、下水道の整備で約20年前から徐々に水質が改善し、水草が浅瀬で分布を拡大した。これにより、マリモは群生地で数年前から光合成に必要な回転や移動ができず、枯死や崩壊が急速に進んだ。
群生地は国立公園特別保護地区…
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