(cache) ボードゲームで積み立て投資実感　丸井、確定拠出年金に対応｜マネー研究所

ボードゲームで積み立て投資実感　丸井、確定拠出年金に対応投資教育最前線ルポ

2014/12/11

丸井グループの福祉会はゲーム形式のセミナーで若い従業員に楽しみながら投資を学んでもらおうとしている

　ゲームでは６人１組のグループが資産運用のリターンを競う。各グループは日本の大型株やインド株、資源メジャー株や外国国債など、８種類の金融商品のうち５つを選んで投資する。サイコロの目やカードで値動きが決まるが、特徴的なのはサイコロを振るごとに１万円ずつ投資を積み増していくことだ。

　「商品の分散だけでなく、時間も分散して積み立て投資していくことの効果を実感してほしい」と、この日の講師で丸井Ｇとは投資教育で協力関係にあるセイコーエプソンの田中喜三男・労働組合副執行委員長は狙いを説明する。

　実際、最初は目先の株価の動きに一喜一憂していた参加者の目つきは、ゲーム中盤に差し掛かると一変した。30歳代の男性参加者は、「株価はスタート時の５分の１なのに、資産総額は普通に貯金したのに比べ２倍にも増えた。時間分散の効果がこれほどとは」と驚く。株価の動きではなく、積み立て投資による資産運用の効果自体に目が向くようになった参加者がゲーム進行に伴い一気に増えた。

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「よしっ、これで株価が上昇したぞ」「インド株の上昇ってすごいなあ」――。11月26日、東京・中野にある丸井グループの福祉会の一室では、若い従業員が歓声をあげていた。彼らが興じるのは、資産運用をボードゲーム形式で体験する「つみたて投資ゲーム」だ。同社はライフプランと確定拠出年金（ＤＣ）をテーマとした初のセミナーで、このゲームを活用した。<INSERT code="1" id="DSXMZO8068951009122014000001" style="2"/>　ゲームでは６人１組のグループが資産運用のリターンを競う。各グループは日本の大型株やインド株、資源メジャー株や外国国債など、８種類の金融商品のうち５つを選んで投資する。サイコロの目やカードで値動きが決まるが、特徴的なのはサイコロを振るごとに１万円ずつ投資を積み増していくことだ。　「商品の分散だけでなく、時間も分散して積み立て投資していくことの効果を実感してほしい」と、この日の講師で丸井Ｇとは投資教育で協力関係にあるセイコーエプソンの田中喜三男・労働組合副執行委員長は狙いを説明する。　実際、最初は目先の株価の動きに一喜一憂していた参加者の目つきは、ゲーム中盤に差し掛かると一変した。30歳代の男性参加者は、「株価はスタート時の５分の１なのに、資産総額は普通に貯金したのに比べ２倍にも増えた。時間分散の効果がこれほどとは」と驚く。株価の動きではなく、積み立て投資による資産運用の効果自体に目が向くようになった参加者がゲーム進行に伴い一気に増えた。<PAGEBREAK/>　金融商品ごとの性格に注目する参加者も出てきた。20歳代の女性参加者は、「別のグループはインド株に投資して資産が４倍になったのに、自分はほんのちょっとしか増えなかった。新興株投資は怖い」とこぼした。「株式と債券の値動きが逆になるなど、実際の相場の動きを体験できるような仕組みになっている」（田中氏）。　丸井Ｇがセミナーにゲームを組み込んだのは、若い世代を取り込むためだ。同社のＤＣ加入率は約２割と低水準にとどまっている。「若い世代を中心に、従業員には投資に対する心の壁がある」（福祉会の杉山秀一常務理事）こともあり、若い世代が親しみやすいようボードゲームを投資教育に取り入れた。　実際、この日の参加者24人のうち、20～30歳代は約半分を占めた。参加者の一人、福田藍さん（26）は「いきなりＤＣで金融商品を運用しろと言われても、どうしたらいいかわからず不安があった。ゲームで一回体験できて投資というものがどういうものか少しはわかった」と満足げだ。別の30歳代の男性参加者は、「自分の老後は会社ではサポートしきれなくなっている。自分で資産運用をすることの重要性が、改めて実感できた」と話していた。　フィデリティ退職・投資教育研究所の調べによると、20～30歳代のＤＣ加入率はわずか18％にとどまっている。企業年金の現場からも、「若い世代ほど（掛け金を自分で上乗せする）マッチング拠出の利用に対して消極的な傾向がある」（通信大手の年金担当者）との声がもれる。若い世代にＤＣと投資をどうアピールするか。丸井Ｇの事例は一つの参考になるかもしれない。（川路洋助）

丸井グループの福祉会はゲーム形式のセミナーで若い従業員に楽しみながら投資を学んでもらおうとしている

　金融商品ごとの性格に注目する参加者も出てきた。20歳代の女性参加者は、「別のグループはインド株に投資して資産が４倍になったのに、自分はほんのちょっとしか増えなかった。新興株投資は怖い」とこぼした。「株式と債券の値動きが逆になるなど、実際の相場の動きを体験できるような仕組みになっている」（田中氏）。

　丸井Ｇがセミナーにゲームを組み込んだのは、若い世代を取り込むためだ。同社のＤＣ加入率は約２割と低水準にとどまっている。「若い世代を中心に、従業員には投資に対する心の壁がある」（福祉会の杉山秀一常務理事）こともあり、若い世代が親しみやすいようボードゲームを投資教育に取り入れた。

　実際、この日の参加者24人のうち、20～30歳代は約半分を占めた。参加者の一人、福田藍さん（26）は「いきなりＤＣで金融商品を運用しろと言われても、どうしたらいいかわからず不安があった。ゲームで一回体験できて投資というものがどういうものか少しはわかった」と満足げだ。別の30歳代の男性参加者は、「自分の老後は会社ではサポートしきれなくなっている。自分で資産運用をすることの重要性が、改めて実感できた」と話していた。

　フィデリティ退職・投資教育研究所の調べによると、20～30歳代のＤＣ加入率はわずか18％にとどまっている。企業年金の現場からも、「若い世代ほど（掛け金を自分で上乗せする）マッチング拠出の利用に対して消極的な傾向がある」（通信大手の年金担当者）との声がもれる。若い世代にＤＣと投資をどうアピールするか。丸井Ｇの事例は一つの参考になるかもしれない。（川路洋助）

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