シリコンバレー、戦略コンサル他、世界の最前線で、超一流は何をしているのか?
答えは「Bullet Points(ブレットポイント)」と呼ばれる“箇条書き”によるコミュニケーション。
箇条書きは、英語や会計、そしてロジカルシンキングと同じくらい世界的に求められているスキルなのだ。メール、プレゼン、企画書・報告書、議事録。あらゆるシーンで活用されている。最新刊『超・箇条書き』の著者、杉野氏にその詳細を語ってもらう。
形容詞や副詞は、
イメージが湧きにくい
今日は、「数字」で示して彩度を上げるコツについて話したい。特に数字を使うべきなのは、大きさなどの「程度を表す」部分であり、普通は形容詞や副詞が使われていることが多い。しかし形容詞や副詞のままだと、「程度」は相手の解釈次第になってしまう。
つまり相手にとっては、「解釈する」という情報処理の手間がかかる。手間がかかるだけではなく、その「程度」がよくわからないためにイメージが湧かないということもあり得る。しかしそれを数字に置き換えれば、一気にイメージがしやすくなる。
例えば、学生が就職活動における履歴書やエントリーシートなどに、次のような自己PRを書いていたとする。
●また、学生時代にはベンチャー企業を起こし、数社の飲食店から、それらのホームページの制作を請け負い、大きな利益を出すことに成功した
ここには「数字」を使うことで、伝えたいことの彩度を上げ、自分自身を際立たせ、自己PRを明確にする余地がある。
最初の文では、「数多くの」という形容詞がある。これは数字に置き換えられる。例えば、「約1000人」とすると、相手は「ああ、この人は中途半端にボランティアをやっていた人ではないな」と面接で真剣に話を聞いてくれるだろう。
もっと言えば、細かなテクニックだが、「約」を使わず実数にするとよい。例えば「1047人」のように。「約1000人」というのは、通訳ボランティアではないにしても、他の学生の何かしらのPRで出てくる数字かもしれない。だが、「1047人」という具体的な数字は、おそらく数千人の応募者がいたとしても、使うのはこの学生くらいだろう。実数には強烈な固有性がある。
そうすることで、この学生についてのイメージの彩度が際立ち、伝えたいことの中身がピンポイントで伝わるようになる。
また2つ目の文では、「数社の」と「大きな」の2つも、数字に置き換えることが可能である。