「新型スマホがまた爆発」 サムスン電子を悩ませる虚偽申告

「新型スマホがまた爆発」 サムスン電子を悩ませる虚偽申告

 韓国のサムスン電子は4日、バッテリーが発火したとの書き込みがあった最新スマートフォン(スマホ)「ギャラクシーノート7」の新製品を産業通商資源部(省に相当)傘下の試験・認証機関である韓国産業技術試験院に送り、再検査を受けました。

 サムスン電子は先月から発火事故が起きたノート7の回収・交換に当たっていますが、韓国のあるユーザーが今月1日「交換したノート7の新製品も爆発した」とインターネットに書き込んだのです。これを受け、同社は翌日午後にその製品を受け取り、世界的な製品認証企業であるスイスのSGSと共同で分析を行いました。そして約2時間後、発火は「製品の欠陥のせいではなく、外部からの衝撃によるもの」とする結果を発表し、X線やCTスキャンの画像まで公開しました。

 にもかかわらず国の試験機関の再検証まで受けることにしたのは、調査結果をめぐりネット上でさまざまな疑惑が出ているためです。ネット上では「2時間で結果が出るとは、サムスンが外部機関にカネを渡して結果に手を加えたのでは」「ブラックコンシューマー(悪質な消費者)の行動だと決め付けようとしているのでは」といった意見がみられます。

 これに対し、サムスン電子の関係者は「企業の運命がかかった事案のため、全てを迅速かつ透明に公開するという原則で対応しているが、いくらネット上とはいえ一方的な主張を事実のように広めるケースが多くて困惑している」と話しています。

 実際、サムスンの内部では、ノート7の回収や再販売よりも国内外で噴出するさまざまな疑惑や主張への対応の方が大変だとの声も出ています。先月には、中国のポータルサイトにノート7のバッテリーが発火したとする主張が書き込まれ、海外の大手メディアもこれを報じましたが、最終的に補償金を狙った自作劇だったことが明らかになりました。こうした主張が絶えないことから、サムスンは「ノート7に人為的に熱を加え、発火したと訴えるなどの虚偽申告が世界で59件確認された」と異例の発表を行いました。

 ネット上でさまざまな疑惑が持ち上がる根本的な理由はノート7の安全性に問題があったためであり、これにはサムスンも反論の余地はないでしょう。しかし、根拠のない疑惑がすぐに広まり、それが「事実」であるかのように扱われるのは決して望ましいことではありません。

姜栄洙(カン・ヨンス)記者
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