台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統は10日の演説で、中国に対し、「両岸(中台)の平和発展、人民の福祉のためになるのであれば、何でも話し合うことができる」と呼びかけた。一方で、台湾を統治する政権「中華民国」の存在を直視するよう中国に求めた。「一つの中国」という考え方をめぐりぎくしゃくする中、対話の「逆条件」を突きつけた形だ。
辛亥革命記念日の「双十節」(「建国記念日」に相当)の式典で演説した。
中国は台湾との対話の条件として、中台がともに「一つの中国」に属すると双方が確認したと中国側が解釈する「92年コンセンサス(共通認識)」の受け入れを求めている。
これに対し、蔡氏が率いる民進党政権は「中国と台湾は別」との基本的考えをとる。蔡氏は5月の就任演説で、92年に行われた中台接触の歴史的事実と、その後の交流成果を尊重するとしつつも、共通認識の存在は認めていなかった。
中国側は、この就任演説を「未…
残り:280文字/全文:669文字
新着ニュース
おすすめコンテンツ
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞国際報道部