[PR]

 奈良時代の聖武(しょうむ)天皇ゆかりの品々などを収めた奈良・正倉院で4日、年に1度宝庫の扉を開ける「開封の儀」があった。11月30日まで、宝物の点検や調査などが行われる。

 午前10時過ぎ、麻縄の封が解かれ、口や手を水で清めた杉本一樹・宮内庁正倉院事務所長や狹川普文・東大寺別当、湯山賢一・奈良国立博物館長らが中に入った。宝庫は古来厳重に管理され、天皇の許可を得て毎年この時期のみ、開けられる。

 収蔵品のうち、ペルシャ風の水差し「漆胡瓶(しっこへい)」、聖武天皇愛用の「鳥木石夾纈屛風(とりきいしきょうけちのびょうぶ)」など64件は10月22日~11月7日、奈良市の奈良国立博物館で開かれる「正倉院展」に出展される。(栗田優美)