「絶対に行ってはいけません。ウナギのすしにわさびが一さじも…」
「『わさびテロ』に涙が出て、ティッシュをくださいといっても無視されます」
大阪に7店舗を構えるすし店「市場ずし」の従業員が韓国人客に大量のわさびを入れたすしを提供し、韓国人を差別する発言を繰り返したとの主張が出ている。同店はさまざまな日本旅行関連サイトで「お勧めの店」に挙げられており、韓国人旅行客も多く訪れている。
発端は9月末、日本旅行に関する韓国のオンラインコミュニティーの投稿だった。同店を訪れた人が「韓国人の客だけにわさびを大量に入れていた」「日本語ができない韓国人客とみると、従業員同士で『チョン』(韓国人を指す蔑称)と言いながら嘲笑する」などと書き込んだのだ。
こうした投稿はすぐにインターネット上に広がり「私も同じ被害を受けた」という経験談が加わって同店への「不買運動」に発展した。韓国のネットユーザーは海外の観光サイトなどに韓国語や英語で「この店に行くな」などと数百件ずつ書き込んだ。
騒動を受け、同店を経営する藤井食品(大阪府茨木市)は2日、店のホームページに掲載した謝罪文で、わさびの増量を認めた。市場ずし難波店によると、外国人客からわさびの増量を求められることが多く、1-2年前から確認せずに通常の2倍程度に増量していたという。一方で、従業員による民族差別的な発言については「そのような事実は確認できなかった」とした。
だが、同店に対する韓国ネットユーザーの抗議は収まっていない。朝日新聞(電子版)は「店には1日以降、批判の電話や無言電話が数十件寄せられていた」と伝えた。市場ずしのほか、韓国人客に法外な値段を請求したり、差別的な発言をしたりする日本の飲食店やホテルの実名を記した「嫌韓店リスト」も出回っている。