「灰とダイヤモンド」など、第2次世界大戦下の祖国の悲劇と抵抗の歴史を描き続けたポーランド映画の巨匠アンジェイ・ワイダ監督が9日、死去した。90歳だった。AP通信が報じた。

 北東部の町スワルキに生まれる。第2次世界大戦中に対独レジスタンス運動に参加し、戦後、映画監督としてデビューした。

 レジスタンスの体験を基にしたデビュー作品「世代」(1954年)、ワルシャワの武装蜂起を題材にした「地下水道」(56年)、「灰とダイヤモンド」(58年)は「抵抗3部作」として知られ、国際的な評価を得た。

 自主管理労組「連帯」の抵抗運動を取り上げた「鉄の男」でカンヌ国際映画祭の最高賞パルム・ドールを受賞。民主化後の89年から91年まで、上院議員を務めた。

 18歳の時、クラクフの国立博物館の「日本美術展」で浮世絵など日本の古美術と触れたことが、その後の芸術の道へのきっかけとなったとされる。日本との関わりは深く、87年に稲森財団の京都賞を受賞。賞金でクラクフに日本美術・技術センターを設立した。(ベルリン=高野弦)