トランプ氏 討論会でどう釈明し立て直し図るか注目
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アメリカ大統領選挙は、女性を見下すような発言をしていた共和党のトランプ候補に対し、党内から支持撤回の動きが相次ぐ異例の事態になっています。日本時間の10日午前10時すぎから始まる2回目のテレビ討論会で、トランプ氏がどう釈明し立て直しを図るのか注目されています。
来月8日の投票日まで1か月を切ったアメリカ大統領選挙は、日本時間の10日午前10時すぎから、中西部ミズーリ州で民主党のクリントン候補と共和党のトランプ候補の直接対決となる2回目のテレビ討論会が行われます。
トランプ氏をめぐっては「有名人になれば女性は何でもしてくれるし、女性に何でもできる」などと、わいせつな言葉で女性を見下すような発言をした11年前の音声が7日に報じられ、共和党内で支持撤回の動きが相次ぐとともに、大統領選挙から撤退すべきだという意見まで出るなど異例の事態となっています。
トランプ氏の側近のジュリアーニ元ニューヨーク市長は9日、ABCテレビに出演し、テレビ討論会が「極めて重要な場になる」と指摘したうえで、トランプ氏がみずからの発言を改めて謝罪するとともに、選挙戦を継続し勝利する決意を訴える見通しを示しました。
今回の討論会は、会場に集まった有権者からの質問やインターネットで集計された質問に、両候補が直接応える対話集会の形式で、1時間半にわたって行われる予定で、世論調査でクリントン氏にリードを許す中、トランプ氏がどう釈明し立て直しを図るのか注目されています。
トランプ氏をめぐっては「有名人になれば女性は何でもしてくれるし、女性に何でもできる」などと、わいせつな言葉で女性を見下すような発言をした11年前の音声が7日に報じられ、共和党内で支持撤回の動きが相次ぐとともに、大統領選挙から撤退すべきだという意見まで出るなど異例の事態となっています。
トランプ氏の側近のジュリアーニ元ニューヨーク市長は9日、ABCテレビに出演し、テレビ討論会が「極めて重要な場になる」と指摘したうえで、トランプ氏がみずからの発言を改めて謝罪するとともに、選挙戦を継続し勝利する決意を訴える見通しを示しました。
今回の討論会は、会場に集まった有権者からの質問やインターネットで集計された質問に、両候補が直接応える対話集会の形式で、1時間半にわたって行われる予定で、世論調査でクリントン氏にリードを許す中、トランプ氏がどう釈明し立て直しを図るのか注目されています。
トランプ氏への不支持 急速に拡大
女性を見下すような発言をしていたトランプ候補に対し、支持の撤回や投票しないと表明した共和党の議員ら有力者は少なくとも50人に上り、身内の共和党内でトランプ氏に対する不支持の動きが急速に広がっています。
このうち、共和党の重鎮で、大統領候補として選挙戦を戦った経験があるマケイン上院議員は8日、声明を発表し、「党の大多数に選ばれた候補として尊重することが重要だと思ってきたが、今回の発言を含むトランプ氏のふるまいにより、もはや支援することはできなくなった」として、支持の撤回を表明しました。
また、議会上院の有力議員、スーン上院議員はみずからのツイッターで「トランプ氏は撤退し直ちにペンス氏を候補とすべきだ」と述べて、副大統領候補のペンス氏を大統領候補にするべきだと訴えました。
さらに、前のブッシュ政権のライス元国務長官もフェイスブックに「もう十分だ。トランプ氏は大統領になるべきではなく撤退すべきだ」と投稿しました。
このほかにも共和党の上下両院の議員や州知事などから支持の撤回や、大統領選挙からの撤退を求める声が相次ぎ、この2日間で不支持を表明した共和党の有力者は少なくとも50人に上っています。
トランプ氏の今回の発言に対しては、ペンス副大統領候補も声明で「不快であり、許すことも弁護することもできない」と厳しく非難したほか、共和党のライアン下院議長は予定していた集会へのトランプ氏の招待を取り消しました。
これに加えてアメリカのメディアは、共和党の全国委員会が運動員に対しトランプ氏への応援活動を見合わせるよう指示したと伝えており、投票日まで1か月を切る中、トランプ氏の党内での支持基盤が大きく揺らぐ異例の事態となっています。
このうち、共和党の重鎮で、大統領候補として選挙戦を戦った経験があるマケイン上院議員は8日、声明を発表し、「党の大多数に選ばれた候補として尊重することが重要だと思ってきたが、今回の発言を含むトランプ氏のふるまいにより、もはや支援することはできなくなった」として、支持の撤回を表明しました。
また、議会上院の有力議員、スーン上院議員はみずからのツイッターで「トランプ氏は撤退し直ちにペンス氏を候補とすべきだ」と述べて、副大統領候補のペンス氏を大統領候補にするべきだと訴えました。
さらに、前のブッシュ政権のライス元国務長官もフェイスブックに「もう十分だ。トランプ氏は大統領になるべきではなく撤退すべきだ」と投稿しました。
このほかにも共和党の上下両院の議員や州知事などから支持の撤回や、大統領選挙からの撤退を求める声が相次ぎ、この2日間で不支持を表明した共和党の有力者は少なくとも50人に上っています。
トランプ氏の今回の発言に対しては、ペンス副大統領候補も声明で「不快であり、許すことも弁護することもできない」と厳しく非難したほか、共和党のライアン下院議長は予定していた集会へのトランプ氏の招待を取り消しました。
これに加えてアメリカのメディアは、共和党の全国委員会が運動員に対しトランプ氏への応援活動を見合わせるよう指示したと伝えており、投票日まで1か月を切る中、トランプ氏の党内での支持基盤が大きく揺らぐ異例の事態となっています。
オバマ大統領「信じられない」
女性を見下すような発言をしていたトランプ氏に対し、オバマ大統領は地元シカゴで行った演説で「信じられない発言だ」と述べ、厳しく非難しました。そのうえで、オバマ大統領はトランプ氏について「女性だけでなくマイノリティーや移民、ほかの宗教を信仰する人々を侮辱し、おとしめている。このことは彼がいかに不安定かを示しており、ホワイトハウスの執務室をまかせられる人物ではない」と述べて、改めて大統領には不適格だと批判しました。
最新の世論調査は
アメリカの政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によりますと、先月28日から今月8日の間に行われた各種の世論調査の平均値で、現時点の支持率は、民主党のクリントン候補が47.5%、共和党のトランプ候補が42.9%で、クリントン氏が4.6ポイント、リードしています。
先月中旬には、クリントン氏が遊説を一時中止するなど、健康への不安が広がったことや、クリントン氏が夫のクリントン元大統領の財団への献金者に便宜を図っていた疑惑が大きく報じられたことなどから、両者の差は1ポイント前後に縮まっていました。
しかし、主要メディアの多くが、クリントン氏が優勢だったと論評した先月26日の最初のテレビ討論会のあと、クリントン氏が支持率で再びトランプ氏を引き離し始めています。この間、アメリカメディアでは、トランプ氏がかつて「ミス・ユニバース」で優勝した女性を侮辱したとする問題が取り上げられたほか、トランプ氏が、長年、所得税を支払っていなかった可能性があると報じられるなどトランプ氏への逆風は強まりました。
さらに討論会直前の7日には、トランプ氏が、過去に女性を侮辱した発言が新たに報じられ、トランプ氏の支持率への影響が注目されています。
一方、大統領選挙は全米50州と首都ワシントンに割り当てられた合計538人の選挙人を争う仕組みですが、「リアル・クリア・ポリティクス」は世論調査を基に現時点でクリントン氏が優勢な州の選挙人の数の合計を260人としていて、過半数の270人に近づいています。これに対して、トランプ氏が優勢な州の選挙人の合計は165人にとどまっています。
ただ、選挙の勝敗を左右する南部フロリダ州や中西部のオハイオ州に加え、伝統的に共和党が強い西部アリゾナ州や南部ジョージア州など合わせて9つの州では接戦となっていて、特にこうした州では今後も、激しい選挙戦が続く見通しです。
先月中旬には、クリントン氏が遊説を一時中止するなど、健康への不安が広がったことや、クリントン氏が夫のクリントン元大統領の財団への献金者に便宜を図っていた疑惑が大きく報じられたことなどから、両者の差は1ポイント前後に縮まっていました。
しかし、主要メディアの多くが、クリントン氏が優勢だったと論評した先月26日の最初のテレビ討論会のあと、クリントン氏が支持率で再びトランプ氏を引き離し始めています。この間、アメリカメディアでは、トランプ氏がかつて「ミス・ユニバース」で優勝した女性を侮辱したとする問題が取り上げられたほか、トランプ氏が、長年、所得税を支払っていなかった可能性があると報じられるなどトランプ氏への逆風は強まりました。
さらに討論会直前の7日には、トランプ氏が、過去に女性を侮辱した発言が新たに報じられ、トランプ氏の支持率への影響が注目されています。
一方、大統領選挙は全米50州と首都ワシントンに割り当てられた合計538人の選挙人を争う仕組みですが、「リアル・クリア・ポリティクス」は世論調査を基に現時点でクリントン氏が優勢な州の選挙人の数の合計を260人としていて、過半数の270人に近づいています。これに対して、トランプ氏が優勢な州の選挙人の合計は165人にとどまっています。
ただ、選挙の勝敗を左右する南部フロリダ州や中西部のオハイオ州に加え、伝統的に共和党が強い西部アリゾナ州や南部ジョージア州など合わせて9つの州では接戦となっていて、特にこうした州では今後も、激しい選挙戦が続く見通しです。