2016年10月9日22時55分
三菱重工業が、大型客船の新たな受注を凍結する検討をしていることがわかった。近年は大型クルーズ船に絞って受注していたが、海外向けの船で巨額損失を出したことを受け、今春から見直しを進めていた。工場の稼働率を上げるため、提携を協議している造船会社との共同利用を進める道も探る。
三菱重工の客船事業は、いったん途絶えた後、1990年代から少しずつ復活した。ただ、2011年に受注した独アイーダ・クルーズ向けの船で設計遅れや建造中の火災が起き、計約2300億円の損失を計上している。
この反省を踏まえ、客船を手がける長崎造船所(長崎市)では今後、液化天然ガス(LNG)船や液化石油ガス(LPG)船などの建造に注力する。
また、8月にLNG船やコンテナ船などの商船事業で提携協議を始めた今治造船、大島造船所、名村造船所と、工場の共同利用ができないか検討する。業界全体を造船不況が覆っており、他社の船も造ることで工場の稼働率を上げる狙いがある。
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