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点滴に界面活性剤 注射器を使用か

点滴に異物が混入され、入院患者が中毒死した大口病院(後方)周辺で関係者に話を聞く報道陣=横浜市神奈川区で2016年9月24日午前8時51分、竹内紀臣撮影

 横浜市神奈川区の大口病院で入院患者の八巻信雄さん(88)の点滴に異物が混入されたとみられる殺人事件で、点滴袋や遺体から、せっけんや洗剤などに含まれる「界面活性剤」の成分が検出されていたことが24日、捜査関係者への取材でわかった。点滴袋には目立った破れなどはなく、神奈川県警は注射器を使用するなど目立たない方法で点滴に異物を混入した可能性があるとみている。

 捜査関係者によると、八巻さんは病状の悪化から終末期医療を受けるため、今月14日に市内の別の病院から大口病院に入院。5階建て病棟の4階にある病室で、栄養補給の点滴を受けていた。20日午前4時過ぎ、心拍数の低下を知らせるアラームで30代の女性看護師が駆け付けたが、4時55分ごろ死亡。その後、不審な点があったため県警が司法解剖した結果、体内から異物が見つかった。県警が調べたところ、界面活性剤の成分が検出されたという。

 八巻さんの病室は8人部屋で当時は6人が入院。4階には18人の患者がおり、事件当時は30代の女性看護師2人が当直を担当していた。同病院では18日以降、4階に入院中だった80代の男性2人と90代の女性1人も死亡しているが、うち男性2人は18日に死亡し、病死と診断された。90代女性は八巻さんが亡くなる約2時間前に死亡し、詳しい診断は出ていない。捜査本部は3人の遺体を司法解剖し、死因などを詳しく調べている。

 大口病院では午後5時〜午前8時に警備員を表玄関に配置。午後5時に裏口を施錠し、同9時には表玄関も施錠。それ以降は原則的に関係者以外の出入りはできない。ホームページによると、同病院は1954年10月に開設され、特定医療法人財団「慈啓会」が運営している。【国本愛、木下翔太郎】

界面活性剤

 本来混ざり合わない水と油を混ざりやすくする効果がある物質で、せっけんや合成洗剤の他、医薬品、化粧品などに用いられている。大量に摂取すると、嘔吐(おうと)や下痢、溶血などの中毒症状を起こし、場合によっては死に至ることもある。

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