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【ノーベル賞】
3日から発表、日本人3年連続なるか 医学・生理学など有力候補めじろ押し
■物理学(4日)
昨年は素粒子分野で梶田隆章東京大教授(57)らが受賞しており、今年は物質の性質を研究する物性分野の可能性が大きい。
日本人では十倉好紀理化学研究所センター長(62)の注目度が高い。電気と磁石の性質を併せ持つ新物質の研究などで大きな成果を挙げている。大同特殊鋼顧問の佐川真人氏(73)は世界最強の磁石であるネオジム磁石を開発し、情報機器などの小型軽量化や省エネ化に大きく貢献した。
海外勢では宇宙から届く「重力波」を初めて検出した米国チームの受賞を期待する声が大きい。いずれ受賞するのは確実だが、発表したのは今年2月で候補者の推薦期限を過ぎていることもあり、来年に持ち越される公算も大きい。
■化学(5日)
4、5年おきに巡ってくる有機化学での受賞が本命視される。日本のお家芸とされる分野で、中でも向山光昭東大名誉教授(89)への期待が大きい。炭素同士を結合させる革新的な合成法を開発し、医薬品開発などで広く利用されている。柴崎正勝東大名誉教授(69)、山本尚中部大教授(73)も有望視されており、日本人が同時受賞する可能性もある。
他の分野ではリチウムイオン電池を開発した旭化成顧問の吉野彰氏(68)、東芝リサーチ・コンサルティングの水島公一氏(75)も期待されている。