首都サヌアで空爆 600人超死傷か
【カイロ秋山信一】内戦状態が続くイエメンの首都サヌアで8日、葬儀会場が空爆され、ロイター通信によると、少なくとも82人が死亡、534人が負傷した。衛星テレビ局アルジャジーラは地元記者の話として「130人が死亡した」と報じた。サヌアはイスラム教シーア派武装組織フーシとサレハ前大統領派が実効支配しており、敵対関係にあるサウジアラビア主導の連合軍による空爆の可能性が高い。
報道によると、現場では当時、フーシ側幹部の父親の葬儀が営まれていた。「4回空爆された」との情報があり、意図的に狙われた可能性が高い。
イエメンでは2014年夏以降、ハディ大統領派とフーシとの政争が激化。復権を狙うサレハ前大統領もフーシと連携している。フーシ側が昨年初めにサヌアなどを武力制圧したのに対して、ハディ政権派はサウジ主導の連合軍の支援を要請し、南部アデンを拠点に反攻を試みている。
国連によると、連合軍の空爆が始まった昨年3月以降、少なくとも6700人が死亡した。