良い点:
・簡単で直感的な建造メカニック
・チャーミングなグラフィックと音楽
・やるべきことが明白
悪い点:
・各チャプターごとにゼロからスタート

『Minecraft』で名を馳せたフォーミュラを隅々まで磨き上げることで、『ドラゴンクエストビルダーズ』は徹頭徹尾楽しめる体験となっている。唯一の制限は、プレーヤーのイマジネーションだけだ。

良い点:
・『ドラゴンクエスト』の魅力
・敷居の低い操作体系
・自由な建造
悪い点:
・シンプルすぎる戦闘
・Xボタンの使い方

まず何よりもファン向けのゲームではあるが、『ドラゴンクエストビルダーズ』は長寿シリーズへのラブ・レターとしてだけでなく、この素晴らしいフランチャイズへの見事な入門編としての役割も果たしており、間違いなくチェックする価値があるだろう。

ビジュアル: 60fpsに満たないフレームレートに不満を感じる人もいるかもしれないが、粘土のような輝きを放つ広大で持続する破壊可能な世界を提供してくれる。素晴らしい
サウンド: 素晴らしい音楽と伝説的な効果音はあるが、プレーヤー・アバターの唸り声は鬱陶しくなってくるかも
インターフェース: 複雑なコンセプトの簡略化に成功しているものの、ボタンのカスタマイズがより充実していれば理想的だった
ボリューム: メイン部分だけでも軽く60時間から100時間を超えるし、未開の箱庭を考慮に入れればさらに長くなる

RPGと建造ゲームのほぼ完璧なバランスを成し遂げている『ドラゴンクエストビルダーズ』は、その名を冠したシリーズの醍醐味を固持しつつ、『Minecraft』のコンセプトに道しるべと構造を持ち込んでいる。一流のビジュアル、音楽、魅力を印象付ける脚本など、その結果は見事なものだ。改善の余地はあるが・・・あまり多くない。

実際にプレーするまで、『ドラゴンクエストビルダーズ』に関しては確信が持てなかった。私がなぜ楽しめたか考えてみると、まず私が『ドラクエ』のファンであることと、『Minecraft』は評価しているものの、ゲームとしては興味が持続しないことだ。『ドラゴンクエストビルダーズ』は止め時が見つからないゲームで、レビューの執筆後も継続してプレーするのが楽しみだ。街の建造は簡単で楽しいし、モノ作りが好きなプレーヤーにとって限界は存在しないだろう。物語を進めることにしか興味がないなら、街を素早く作って次の目標に進むことも可能だが、広大な都市の建造に大半の時間を費やしたいなら、それを可能にする自由と手段が揃っている。アクションRPGに建造ゲームを組み合わせるというのは斬新だが、両方のファンが満足できるよう練りに練られているし、各々のプレーヤーが自分の好きなようにプレーできるのだから、文句の付けようがないだろう。

当然ながら『Minecraft』のことは尊重しているものの、私は『ドラゴンクエストビルダーズ』の方が気に入っている。当然ながら『Minecraft』ほどの底が見えない深みは提供してくれないし、学校に売り込む「教育バージョン」も存在しない。しかしながら、本作は地に足の着いた隅々まで楽しめるゲームであり、本作自身が認めるよりもはるかにそのルーツであるJRPGとの共通点が多いのである。我慢強い『ドラゴンクエスト』ファンである私にとって『ビルダーズ』が特別なのは、そこに理由がある。

良い点:
・懐かしいビジュアルとオーディオ
・シンプルな操作性
・作成の自由
・ウィットに富んでいる
悪い点:
・頻繁なメニュー
・戦闘時にロックがない

『ドラゴンクエストビルダーズ』は、『Minecraft』や『Terraria』といった主力シリーズの人気を基に、『ドラクエ』シリーズのファンを喜ばせるノスタルジアをふんだんに盛り込んでいる。操作性はシンプルで、豊かだがシンプルな世界で繰り広げられる採掘や作成、戦闘にすぐ慣れることができるはずだ。作成の自由は楽しくやりがいがあり、他の人間を支援しつつ怪物たちを退けることができる集落を作り上げることが可能だ。郷愁を誘う効果音と音楽は、古くからのファンを喜ばせると同時に、キャラクターやアイテムの陽気なアート・スタイルと、それらを内包するブロック世界を融合させたこのシリーズに最適だ。

『ドラゴンクエストビルダーズ』は、より人気のある作品を真似つつ独自性も維持するという、素晴らしいお手本となっている。『Minecraft』の系譜にあることは間違いようもないが、『ドラゴンクエスト』のDNAも同じくらい感じられる。チャーミングで笑えて取っ付き易く、『Minecraft』の熱心なファンでさえプレーする価値があるほど独自性を備えているのだ。腹立たしい欠点や鬱陶しいカメラの不具合が多少の足枷となっているが、それでもプレーする価値がある。『ドラゴンクエスト』ファンにとってはこのジャンルへの最高の入門編であり、たとえファンでなくとも、多くの『Minecraft』クローンにはない構造と高いリプレー性を提供してくれる。

『ドラゴンクエストビルダーズ』は確かに価格が高すぎるものの、その自然なメカニック、チャーミングなキャラクター、壮大なクエストを愛さずにはいられない。

良い点:
・チャーミングな『ドラクエ』ビジュアル・スタイル
・滑らかな戦闘
・奥の深い作成システム
・目的のある『Minecraft』
悪い点:
・部屋建造時の奇妙なグリッチ
・閉鎖空間が嫌いなカメラ

ありがちな『Minecraft』クローンとか軽量級の『Minecraft』と『ドラゴンクエストビルダーズ』を一蹴するのは容易いが、それでは極めて独創的なアドベンチャーを逃してしまうことになる。世界を救うという名目の建造がこれほど楽しく、睡眠を奪うものだとは考えもしなかった。私はRPGにおける作成要素が好きだが、本作はレベルが違う。実際にプレーするまで分からないことだが、本作は建造する者よりも作成する者のパラダイスなのだ。チャーミングな『ドラクエ』の見た目と、『Minecraft』の建造要素は魅力的だが、クエストと作成こそ本作の真髄なのである。

良い点:
・最高の『ドラクエ』アート・スタイル
・素晴らしい音楽
・複数の建造モード
・多彩な動植物
悪い点:
・カメラのズームが操作できない
・マルチプレーがない

このフランチャイズ最新作で、『ドラゴンクエストビルダーズ』はシリーズのファンに新たなジャンルを提示してみせている。建造ジャンルに魅力を感じているものの、殆どのゲームに構造が欠如しているせいで飛び込むのを躊躇している人にとっても、最高の入門編になっている。『ドラゴンクエストビルダーズ』は、『Minecraft』の自由を与えながらも、常に重要な任務でプレーヤーを導いてくれるが、建造に勤しみたいなら、それもOKなのである。

コンセプト: ブロックを着実に積み上げて世界を再建
グラフィック: 鮮明でシンプルなジオメトリーのお陰で、愛らしいキャラクター満載の息を呑む遊び場に
サウンド: 力の入ったオーディオは、街に静けさを、探索に危機感と謎を加味している
プレー性: 建造はシンプルでやりがいがあるが、戦闘はただシンプルなだけ。ありがたいことに、チャーミングさや途切れない新コンテンツのお陰で、単調な戦闘も許容し易くなっている
エンターテイメント性: 『Minecraft』風のゲームに構造を求める向きには最高の代用品
リプレー性: 高い

私が可愛いデザインに目がないのは確かだが、数十時間にわたって私の興味を引き続けるには、それ以上の何かが不可欠だ。チャーミングなビジュアルが手堅いアクションRPGと合わさって、一部荒削りな箇所はあるとはいえ、驚くほど楽しめるゲームに仕上がっている。

良い点:
・アイテム建造と街のデザインは創造的、メカニック的にやりがいがある
・より複雑なシステムの導入を手助けするクエスト・ライン
・ユニークな試練を可能にする手作り世界
悪い点:
・特に屋内で厄介な操作性とカメラ
・原始的でぎこちない戦闘

戦闘には改善の余地があるものの、『ドラゴンクエストビルダーズ』は見事にRPG構造と自由な創造性を組み合わせている。『Minecraft』が嫌いな人のための『Minecraft』である。

『ドラゴンクエストビルダーズ』は、JRPGにも自由な発想は可能だということを証明しており、完璧と呼ぶには磨き上げが足りないものの、『Minecraft』のようなゲームの要素を巧みに盛り込んでいる。物語には退屈させられることも多いとはいえ、その大前提の出来栄えに大抵のプレーヤーは虜になるだろうし、奇抜で極めて充実したハイブリッド体験を受け入れることができれば、『ドラゴンクエストビルダーズ』を末永く堪能できるはずだ。