防衛相 「駆け付け警護」など 視察踏まえて判断へ

防衛相 「駆け付け警護」など 視察踏まえて判断へ
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稲田防衛大臣はアフリカの南スーダンを訪問し、自衛隊の宿営地などを視察しました。このあと記者団に対し、首都ジュバの治安状況は落ち着いているとしたうえで、安全保障関連法に基づいて「駆け付け警護」などの新たな任務を部隊に付与するかどうか、今回の視察も踏まえて判断する考えを示しました。
アフリカの南スーダンでは、自衛隊が国連のPKO=平和維持活動にあたっていて、来月、交代で派遣される見通しの部隊が、安全保障関連法に基づいて、武器を使って他国の部隊などを救援する「駆け付け警護」などの新たな任務が付与された場合に備えて訓練を行っています。
こうした中、稲田防衛大臣は8日、大臣就任後初めて南スーダンを訪れ、首都ジュバの国連の施設内にある自衛隊の宿営地を視察し、現地の情勢などの報告を受けたあと医療施設などを確認しました。
そして、隊員を前に訓示し、「皆さんはわが国を代表して南スーダンの平和と安定に貢献しており、その活動は大きな意義がある。国際社会の期待に十分応える活躍をしている」と激励しました。
これに先だって、稲田大臣は、南スーダンのヤウヤウ国防副大臣や、UNMISS=国連南スーダン派遣団のロイ代表と会談し、このうち、ロイ代表は7月に政府軍と反政府勢力との戦闘が再燃したことに関連して、「再び起こらないことを望んでおり、起こる可能性は低いと思っている」と述べました。
視察のあと、稲田大臣は記者団に対し、「ジュバ市内では7月に衝突があったが、落ち着いていることを目で見ることができ、関係者からも聞くことができた。7月の衝突を受けて、自衛隊の部隊が安全対策や警備を強化していることは確認できた」と述べました。
そのうえで、稲田大臣は、「駆け付け警護」などの新たな任務を、来月、交代で派遣される見通しの部隊に付与するかどうかについて、「情勢などいろいろな報告も受けたので、持ち帰って政府全体で議論したい。私が見たり聞いたりしたことを踏まえて決めていきたい」と述べました。