北部アレッポでアサド政権と反体制派の戦闘が激化しているシリア内戦をめぐり、国連安全保障理事会は8日、フランスなどが提出した空爆の即時停止とアレッポ上空の軍用機の飛行禁止などを求める決議案を採決した。だが、常任理事国のロシアが拒否権を行使し、廃案となった。
アサド政権を支持するロシアは過去4度、対シリア安保理決議案で拒否権を行使。英国のライクロフト国連大使は廃案後、「5年間で5度目の拒否権行使で、安保理の信頼性をまたもや損なう行為だ。ロシアは、アサド政権が反体制派掌握地域を破壊するのに手を貸している」などと批判した。
採決では、米、英、日本など11カ国が賛成。これまでロシアと共に拒否権を行使してきた中国は今回棄権した。
シリアでは先月12日、米ロ主導で政権と反体制派の停戦合意が発効したが、反体制派が掌握するアレッポ東部地区で、政権軍とロシア軍による空爆がやまず、同下旬に崩壊した。反体制派NGOによると、同地区では9月19日以降、空爆により民間人400人以上が犠牲になっているという。(ニューヨーク=杉崎慎弥)
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朝日新聞国際報道部