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【法廷から】
荘厳な法廷に飛び交った「パンツ」40回…下着奪ったわいせつ男に「強盗」は適用されたか
「女性にわいせつ行為をした際、パンツを奪ったが、パンツ自体が欲しかったわけではない。だから強盗罪は成立しない」。女性の下着を脱がせてわいせつ行為をしたなどとして、2件の強制わいせつや強盗などの罪に問われた静岡県の元トラック運転手、清水香津吉(かづよし)被告(49)は、東京地裁での裁判員裁判でこう述べ、下着を奪ったとする強盗罪などについては無罪を主張した。下着が焦点になったため、法廷では「パンツ」という言葉が飛び交い、傍聴席からは苦笑が漏れる場面も。東京地裁は清水被告側の主張にどのような判断を下したのか-。
起訴状などによると、清水被告は平成25年6月、東京都内の路上で、20代の女性を押し倒してキスをした上、「パンツをくれれば何もしない」と言いながら、下着(時価500円相当)を引っ張って奪った上、自身の局部を女性の顔に押しつけた。また26年6月、都内の路上で、当時18歳の女性に「2万円あげるからパンツちょうだい」と言った上で、女性の口をふさぎ、下着(時価1000円相当)を奪った上、女性の胸を触るなどした。女性は軽傷を負ったとされる。
清水被告は昨年7月に警視庁に逮捕され、その後、強制わいせつや強盗、強制わいせつ致傷、強盗傷害の罪で起訴された。
清水被告側は強制わいせつと強制わいせつ致傷を認めたが、下着を奪った点については「結果的にパンツを奪って持ち去ったが、わいせつ行為に夢中で、パンツを自分のポケットに入れた記憶はない。また、パンツを持ち去ったのは、パンツを脱がされたまま放置された女性を想像して性的興奮を得るためで、パンツはすぐ捨てるつもりだった。このようにパンツを自分のものにする意思がなかった以上、強盗罪は成立しない」と主張した。