IMF委員会「世界経済の先行き 脅かされている」

IMF委員会「世界経済の先行き 脅かされている」
k10010723681_201610090613_201610090616.mp4
アメリカのワシントンで開かれたIMF=国際通貨基金の委員会は8日、声明を発表し、世界経済の先行きについて、各地で広がる保護主義的な貿易政策などによって「ますます脅かされている」と強い懸念を示しました。
IMF加盟国のうち24の国の財務相や中央銀行総裁らが委員を務めるIMFC=国際通貨金融委員会は、7日から2日間にわたって会議を開き、世界経済の現状などを議論しました。
終了後に発表した声明では、世界経済の現状について、「回復はゆっくりとばらつきのある形で進んでいる」とした一方で、先行きについては「保護主義を含む内向き志向の政策や改革の停滞によって、世界経済の今後の見通しはますます脅かされている」と強い懸念を示しています。そのうえで、世界経済の成長に向けて構造改革、財政政策、金融政策といったあらゆる政策手段を総動員することを改めて盛り込みました。
また、各国の金融緩和策によって世界的に低金利が続いていることについては、「長引く低金利やマイナス金利による金融安定上の潜在的なリスクがないかを監視する」として、金融機関の収益への悪影響などを注視する考えを示しています。
IMFCの議長を務めるメキシコ銀行のカルステンス総裁は会見で、「貿易や技術革新によって経済成長を促進すべきだ。ただ、それによって悪影響を受ける人たちに対し、政府が具体的な対応策を取る必要がある」と述べ、保護主義的な貿易政策への支持が広がるのを抑えるため、各国が対策を講じるべきだという考えを示しました。