ボゴタ=田村剛 聞き手・今村優莉
2016年10月8日23時49分
南米コロンビアのサントス大統領のノーベル平和賞受賞が決まった7日、国内は祝福ムードに包まれた。左翼ゲリラ・コロンビア革命軍(FARC)との和平合意が2日の国民投票で否決されたばかりだが、予想外の受賞で再び期待が高まる。
首都ボゴタ中心部の広場では7日、市民が喜びの声を上げた。内戦で父親とおいを殺されたアウラ・アコスタさん(60)は国民投票で賛成に投票した。「否決された時は絶望したが、再び希望の扉が開かれた。平和賞が交渉を成功に導くはずだ」と笑顔を見せた。
半世紀の内戦に終止符を打つ和平合意に、政府とFARCが署名したのは9月下旬。国内は喜びにわいたが、国民投票で一転、反対が賛成を上回り、和平実現に暗雲が立ちこめていた。
最有力紙エルティエンポが掲載したスペイン通信の解説は、和平交渉を巡るここまでの展開を「マジックリアリズムはいまだコロンビアに顕在だ」と伝え、同国のノーベル文学賞作家、ガルシア・マルケスの小説「百年の孤独」になぞらえた。現実と空想が融合し、神秘的な事件が次々起こるこの小説は「マジックリアリズム」と呼ばれる手法で書かれている。ソーシャルメディア上でも、マルケス作品のようだと話題が広がっている。(ボゴタ=田村剛)
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朝日新聞国際報道部